ベトナムの通販市場の行方が気になる

ベトナムにてオンラインを活用した小売り事業(通販)を展開している多くの企業がサイトを閉鎖する方向で動いているようです。理由は単純に収益性が低い、または赤字が数年間継続しているためです。例えば、Tiki.vnはベトナムで非常に有名な小売りの通販サイトですが、直近2年間で14百万ドルの赤字を出しています。そして、これはTiki.vnに限ったことではなく、Lazada Vietnam、Lingo.vn、Deca.vn、そして Beyeu.comもサイトの閉鎖を考えているようです。

アマゾンやアリババなどの通販のエキスパートと言われる企業においても向こう10年間は利益が出ないだろうと考えているようです。特にロジスティクスにかかるコストが赤字の大きな要因です。例えば、Lazada Vietnamは、ホーチミンの近郊に4000㎡の倉庫を良いし、300名のスタッフを雇い、事業を展開していますが、そこに掛かる月額費用が一倉庫当たり44,000千ドルです。

それに加えて、フェイスブックなどのSNSを活用した競合他社や個人事業主も彼らにとり大きな脅威となっています。彼らは大きな投資や倉庫を持つ必要がありません。そして、それを価格に転嫁する必要がないため、価格も抑えて販売をすることが可能です。そのため、大手通販サイトでは、価格の優位性を出さなければ販売数量が伸ばせないため、大きくディスカウントをしなければならず、収益性の悪化を招いているのです。

このように苦戦を強いられている通販市場ではありますが、この市場の伸び率も非常に高いようです。
現状の市場の成長率は約35%と予測されており、日本のそれと比較をすると約2.5倍。そして、2020年までにはベトナムの国民の約30%がオンラインで商品を購入するようになるだろうと考えられています。

非常にポテンシャルの高い市場であることは間違いなく、今後の大手通販企業の動向次第で、ベトナムにおける通販市場が大きく変化していくはずですし、ベトナムにおいての我々の生活がさらに便利になるのは間違いなさそうです。

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