ハノイ党委員会副書記のグエン・ヴァン・フォン氏がハノイのロックダウンを9月6日まで再延長すると発表したようです。
コミュニティ内の感染者を炙り出し、さらに地域住民へのワクチン接種を加速し、最悪のシナリオに備えることを目的としているとのこと。
ちなみに2021年4月27日から8月20日現在のハノイの感染者数の合計は2,716名のみのため、市中のみで考えれば経済を回した方が良いように感じますが今後の感染拡大に備えて封じ込めを図りたい考えのようです。
※これまでハノイでは感染者ゼロの状態を継続していましたが、ホーチミンで感染者が急増したのが4月27日からのため基準日としています。
ベトナム全土の感染者数【2021年4月27日~8月20日現在】
ベトナム全土の感染者数は以下のグラフの通りですが、ホーチミン市167,717人、ビンズオン省59,824人、ロンアン省17,047人、ドンナイ省16,288人、ティエンザン省5,986人と、この5県で全体の82%を占めています。ちなみに、その他とは、残り50都市部の累計で24,405名となっています。
ちなみに日本の感染者数の累計126万人ですので約4分の1程度ですね。
ベトナムの累計感染者数のグラフ
ベトナム南部で急激に感染が拡大した原因と今後の対策
ホーチミンやビンズオンなど、ベトナム南部で感染が急拡大した理由は2点あるようです。
医療体制の脆弱さ
一つ目がそもそも十分な数の病床を確保出来ていなかったようです。
7月15日当時の在ホーチミン総領事館の報道によると、総病床数は約37,000床のみで、そもそも感染拡大には対応できない状態でした。
1 医療の体制(7月15日現在)
ホーチミン市では、現在、新型コロナウィルスの感染者を症状の程度によって4段階に分けて処置を行っています。
・レベル1:無症状者又は軽症者。現在使用していない学生寮や集合住宅などを仮設の病院として、医療スタッフと医療機器を置くなどして隔離及び医療措置が行われています(3万床)。
・レベル2:症状があるが基礎疾患を有しない者。市内のCOVID-19治療病院として指定された病院(CAN GIO病院、 CU CHI病院、BINH CHANH病院、GO VAP病院、東部軍医病院等)で隔離・治療が行われています(2,500床)。
・レベル3:症状があり基礎疾患を有する者、重症、命の危険のある者。市内のCOVID-19治療病院として指定された病院(TRUNG VUONG病院、PHAM NGOC THACH病院、THU DUC総合病院、AN BINH病院等)で隔離・治療が行われています(3,000床)。
・レベル4:重症、命の危険のある者。ホーチミン市熱帯病院、チョーライ病院、COVID-19集中治療センター(元々は第二癌治療病院)で隔離・治療が行われています(1,200床)。
参照:在ホーチミン総領事館 ベトナム国内における新型コロナウイルス関連(ホーチミン市における感染拡大の注意喚起)
さらに軽症患者に対しては自宅療養を指示していましたが、十分な医療サポートや正確なアドバイスを提供出来ていませんでした。
ホーチミン政府がロックダウンをコントロールできなかったこと
二つ目がホーチミン市民の外出規制を上手にコントロール出来なかったことが挙げられます。
もちろん政府からロックダウンによる外出規制は発令されていましたが、その指示に従わない市民が多くいたようです。
恐らくここまでの感染拡大を想定していなかったことで、感染者の囲い込みが後手に回り、現在の感染拡大に繋がったのではないかと思われます。
今後の対策:ホーチミン市におけるロックダウンのさらなる強化
政府の発表によれば、今後は外出規制のさらなる強化を目的に、ベトナムの軍隊を派遣し、月曜日から2週間の完全隔離を実施していくとのことです。
食糧の配達や家庭への物資の支援は軍隊を通じて実施されると述べていますので、いよいよ本格的に感染拡大の防止措置を施していくようです。
まとめ
~ハノイのロックダウンが9月6日まで再延長【2021年8月20日現在】~
ということで、ロックダウンの再延長に関してお伝えして参りましたが如何でしたでしょうか。
我々が拠点を構えるハノイでは、2,716人の感染者しか出ていません。それでも国を挙げて、とにかく皆で協力して感染拡大を阻止していくという姿勢は共産国家ならではだと感じています。
本年の5月から3ヶ月間以上まともに商売をさせてもらえない現状に正直言えば不満はあります。但し、他人の土俵で商売をさせて頂いている以上、【郷に入っては郷に従え】の精神で、耐え忍ぶしかないと割り切っています。
今回は以上となります。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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