飲食店の内装工事を坪10万以下に抑える方法【開業・改修費を削減】

飲食店の開業では、内装工事と設備工事に掛かる費用が投資の大半を占めます。もちろん必要最低限を揃えたとしても、坪当たりの内装工事の費用は30万から掛かるはずです。

今回は、その中で内装工事に焦点を絞り、坪単価10万円以下に抑える方法をご紹介します。

前提条件

①居抜き物件

②10~25坪以内

③厨房工事が必要無い

④内装工事を学ぶ意欲がある

⑤大工さんとコミュニケーションがとれる

最低でもこの5つの条件をクリアできなければ、内装工事費用を坪10万円以下に抑えることは難しいかもしれません。

飲食店の内装工事は自分で出来るのか

もちろんご自身で飲食店の内装工事は出来ます。

但し、カーテンや布製のブラインドなどは、防炎の基準を満たすものの設置が義務付けられているため、内装工事のDIYも含め、施工前には管轄の消防署に事前相談されることをお勧めします。

第四条の三 法第八条の三第一項の政令で定める防火対象物は、…項に掲げる防火対象物(次項において「防炎防火対象物」という。)並びに工事中の建築物その他の工作物(総務省令で定めるものを除く。)とする。

3 法第八条の三第一項の政令で定める物品は、カーテン、布製のブラインド、暗幕、じゆうたん等(じゆうたん、毛せんその他の床敷物で総務省令で定めるものをいう。次項において同じ。)、展示用の合板、どん帳その他舞台において使用する幕及び舞台において使用する大道具用の合板並びに工事用シート…

出所:消防法施行令

飲食店の内装工事の平均坪単価は

飲食店の内装工事掛かる費用を業態別に大まかに算出してみました。

業態 内装工事費の相場
焼肉 48万円~/坪
居酒屋・レストラン 25万円~45万円/坪
カフェ 18万円~30万円/坪

基本的には、床、壁、天井の面積、そしてインテリアやデザイン性などで内装工事の金額は大幅に変わります。

例えば、飲食店では内装工事の難易度が上がれば、それだけ大工仕事が増えますので人件費の割合も高まります。

そして、内装の使用素材によっても金額は増減します。

壁材、天井、カウンターなどを例にとっても、どこまでこだわるのかにより内装工事の見積もり金額は大幅に変わります。

単価の安い順に壁材を並べてみました。

メラミン  AICA工業などで販売されている主に内装用の化粧合板

突き板   内装用に天然木を厚み0.25mに薄くスライスしたもの

無垢材   丸太から切り出したままの自然な状態の木材

 

化粧合板など建築資材の取り扱いメーカーのAICA工業

AICA工業

私たちは、面材を中心とした建材の提供を通して、
皆さまと共に、理想の“ 表情” を見つけ、“ 空間” を創造…
ベストパートナー、アイカ工業です。…

 

飲食店の内装工事の費用が高い理由

なぜ飲食店の内装工事費用は高いのでしょうか。

下記の内訳をご覧いただければ、理由をご理解頂けると思います。

飲食店の内装工事の内訳
 デザイン設計
 30万円~100万円/店舗当り
デザイン設計は、内装工事に含めることが一般的です。理由は、施主側がこの費用を考慮してくれないことが多いため。この場合、部材やその他の費用にデザイン費を按分し見えづらくします。
 設計管理
 20万円~50万円/店舗当り
店舗の規模など、内装工事により増減します。現場での工程会議や大工さんへの細かな指示を通じて、デザイン通りの内装に仕上げていくために実施します。
 内装工事
 18万円~100万円以上/坪当り
デザイン、レイアウト、インテリア、素材などによって工事金額は変わります。
 厨房工事
  25万円~600万円/店舗当り
 導入される機器により金額が変わります。ホテルのレストランのようにオール電化など、館のルールに則る場合は割高になります。
  設備工事
  ~20万円/坪当り
空調、給排水、給湯、電気(照明)、ガス設備など、物件の面積により一部項目の金額は高くなります。

仮にスケルトンの場合は、これら全ての工事費用が掛かりますので、軽く800万~1,000万円ほど請求されます。

それ以外にも開業時に必要なお皿などの什器備品、教育研修に掛かる人件費、メニューデザイン費などが内装工事費とは別に100万円以上掛かります。

そのため初めて飲食店を開業をされる方には居抜きをお勧めします。

飲食店の内装工事を安く抑えるためのポイント

飲食店の内装工事に掛かる費用を抑えたいのであれば、ある程度ご自身の負担を増やす必要があります。

前述した通り、居抜きの物件であれば、厨房工事や設備工事は、ほぼコストを掛ける必要がなく内装コストのみで済むはずです。

それ以外にも、下記の2点の工事費用は抑えることが可能です。

①内装費のうちデザイン設計と設計管理費を削減

仮にデザイン会社に業務を依頼しなければ、デザイン設計費と設計管理費の2点の最低50万円は確実に削減できます。

②内装工事の費用を削減

飲食店の内装工事ですが、大工さんに当てがあり、直接やり取りが出来るようでしたら、費用を大幅に削減できます。

内装業者は、少なくとも見積もりに2割~3割の利益を乗せています。

商売だからという理由以外に、大工さんとのやり取りの中で、行き違いがあった場合、再度内装用の資材を調達したり、追加の人件費を加味しておく必要があるからです。

つまり内装工事の工程で不具合があった場合の保険として、高めの見積もりを提出せざるを得ないのです。

内装業者や大工さんとの打合せ時に準備すべきもの

まず前提として、内装工事業者ではなく、大工さんや施工業者へ直接依頼される場合は、完璧な仕上がりは求めない方が良いと思います。

デザイン会社に依頼をしないため、レイアウト、天伏図、展開図、仕様書など、内装工事の詳細情報がありません。

そのため、部材の組み合わせや配色など、細かな指示が無い中で作業を進めるため、施主の感覚と大工さんの感覚の違いが発生する可能は十分にあります。

もちろん常駐し、内装工事に関しての作業指示を常に出せる環境でしたら、詳細を詰めていけると思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。

飲食店の内装業者との打合せで必要な4点

各施工業者と直接内装工事を進める場合、最低限の準備が必要になります。

当然、人間関係が大切なので、相手に対しての気遣いが無ければ良い仕事をしてもらうことは出来ません。

そのために最低限必要な準備について解説します。

  • ①パースイメージ
  • ②資材リスト
  • ③平面図
  • ④施工箇所ごとの図面と寸法

①内装・外装用のパースイメージ

外装と内装イメージをカラーにて作成します。

ある程度、仕上がりをイメージできるものを用意しましょう。工事期間中の確認作業が少なくなり、大工さんのストレスが低減されます。

②内装用の資材リスト

内装工事に際して、各施工箇所と資材を紐づけるリストを準備します。

大工さんや施工業者の方と、事前打ち合わせにて寸法取りが必要なものもありますのでご注意ください。

例えば、壁材や床材などは、平米数を算出し、資材の発注数を決める必要があります。

仮に、受注生産で納品までに7日間から10日間掛かる資材であれば、その期間も考慮した上で準備を進めましょう。

資材
リスト
施工
箇所
平面図
位置
数量 納品日
テーブライト 間接照明用 造花ボックス内に施工 10m 10月1日
古材 0.5mm ダイニング腰壁用 高さ700mmまで AB 100㎡ 10月5日
流木 照明用に天井からぶら下げる 5箇所 10月1日

③内装用の平面図

データ、もしくは手書きでも構いませんので、内装工事用に準備しましょう。

ポスターや額縁の位置など、施工が必要な箇所と資材の種類を記したものが必要です。

施主が24時間現場に張り付いていることは難しいかもしれません。

現場に不在の状況でも、図面や作業指示書を大工さんと共有していれば、彼らはストレスなく工事を進行することができます。

もちろん工事に合わせて作成していく形でも構いません。

大工さんと密に連携を取りながら、内装工事の工程に合わせて作業内容を確認できる仕組みを整えておきましょう。

ちなみに、これがなく工期が伸びた場合、開業の延期、人工代(人件費)を別途請求されるなど、デメリットが多くなりますのでご注意ください。

④内装棚など重点箇所ごとの寸法入りの仕様書

ここだけは絶対にイメージ通りに仕上げたいと考えている箇所については仕様書を用意しましょう。

造り付け家具や無垢材のカウンターなど、お店の印象付けに一役を担うようなものはしっかりと仕様書を用意し、その通りに制作をしてもらえるようにしましょう。

まとめ
~飲食店の内装工事を坪10万以下に抑える方法【開業・改修費を削減】~

この考え方を用いて、クライアント先の開業をサポートしたことがあります。

24坪の居抜き物件でしたが、看板、内外装、インテリア、店内照明などの工事費用を、2,300,000円のみで、工事を完了できました。
坪当たり単価は、約95,000円でした。正直、支払いの少なさに驚かれていました(笑)

もちろん、飲食店の内装工事には、ある程度の専門知識は必要になります。
しかしながら、十分な計画と準備があれば実施は可能ですので、ぜひチャレンジをしてみてください。

今回の記事が飲食店の開業を目指す方のお役に立てば幸いです。

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