飲食店の経営改善の手法を7つのポイントに分けて解説

今回は、飲食店の経営改善を目指す際に、実施すべき事柄について解説をしていきます。

飲食店の経営改善が必要になる理由

投資過多と開業後の集客力の低さにより、十分な売上と利益が確保できないことが大きな理由の一つです。

いざ飲食店を開業しようと決意をし、多くの申請や工事の打合せなどをしていると徐々に開業自体が目的となり、その後の集客に悩むオーナーさんが正直非常に多いです。

もちろん計画的に開業を進めたとしても繁盛店と非繁盛店の差が著しく激しい業種で、中小企業庁発行の『中小企業白書』では全産業の中で、廃業率6%以上と全産業平均(3.5%)の約2倍近い数値となっております。

そして飲食業界単体での廃業率は、開業後2年目以内に50%が倒産し、3年以内に70%がつぶれ、10年以上継続している飲食店はわずか10%と言われています。

飲食店の経営改善時の7つのポイントを解説

そもそも飲食店の売上と利益のアップは可能なのでしょうか。

もちろん可能です。但し、いくつか条件がありますが収益性を向上させることは可能です。

そのために超えるべきハードルがいくつかありますので解説していきます。

経営改善①:固定観念を捨て本気で改善活動に取り組む覚悟

飲食店の経営改善のはじめの一歩は、過去の成功体験や固定観念などを一切捨てて、ゼロベースで改善活動に取り組む覚悟を持つことです。

企業や組織は経営者の器以上にはなりません。

飲食店も同様に経営者の考え方や経験値以上に大きくなることは無いと考えております。経営改善で一番の課題となるものは、経営トップの固定観念や既成概念です。

  • それは提供したことがあるけどダメだった
  • そのメニューはお客様に受けないと思う
  • そんなことをしてもうちのお客さんは喜ばない
  • 600円以上の商品は売れない

過去の経験やご自身の固定観念が飲食店の経営改善の障害となることをまずは理解しましょう。

過去に売れなかった理由は、売り方に問題があったもしくはお客様のニーズを把握していなかったからなのです。

本気で飲食店の経営改善に臨むのであれば、経営者の方ご自身が考え方を180度変えていく必要があります。

経営改善②:飲食店のターゲットを再選定

まず飲食店の経営改善を進めていく上で必要になるのが、ターゲットを再選定していくことです。

この際に商圏分析をします。

商圏人口の属性を調査し、ターゲットにすべき客層(飲食店を支持してくれるお客様)が誰なのかを把握します

移動手段に応じたターゲットの分類

移動手段に応じてターゲットを3つに分類していきます。基本的には距離と比例します。

ターゲット①:飲食店から800m圏内   徒歩
ターゲット②:飲食店から2km圏内    自転車
ターゲット③:飲食店から2km以上    自動車

時間帯ごとの店前通行量を調査

ピークの時間帯の通行量を調査します。

どんな属性の方々が飲食店の前を通過していくのかを把握します。曜日別に、男性、女性、年齢などを細かく調査していきます。

これがターゲットを再選定していく上で重要な役割を担いますので慎重に丁寧に実施しましょう。

近隣の繁盛店の状況の確認

ピークタイムに繁盛している飲食店の客層をチェックします。こちらも上記と同様に時間帯、曜日別、男性、女性、年齢などを細かく調査していきます。

経営改善③:飲食店の業態コンセプトの見直し

②にて調査した結果をもとに新たなコンセプトを立案します。

売りたいヒト・モノ・コト ⇒ 売れるヒト・モノ・コト

上記の考え方をベースにコンセプト作りを進めます。

商圏人口の調査目的は、ピークタイム時の居住者や就業者属性の把握のためです。ターゲットにすべき顧客は、商圏内に最も多く存在している属性にすべきです。

そのため、売れるヒト・モノ・コトへのシフトが必須になる可能性が高いため、今までの経験値を否定していく作業が必要になると申し上げました。

これが一番最初のハードルです。

これを受け入れることが出来れば、飲食店の経営改善を次のステップへ進めることが出来ます。

経営改善④:ウリ商品や主力カテゴリーの開発

飲食店の経営改善時にウリ商品(集客商品)を作る方程式

ウリ商品に関すて図解にて説明

顧客が集まるウリ商品(集客商品) =

既存商品 x 新たな性質(盛り付け/量/味付け+価格帯/名称/見せ方)

お客様に注文される既存商品に新たな性質を加え、ウリ商品(集客商品)に変えていくイメージです。

例えば、ターゲットが男性の場合、小売り業態(弁当屋など)であれば、国産若鳥の半身揚げ弁当や鳥からおにぎりなど、一目みてわっと驚くインパクトで記憶に残るボリューム感、そしてスパイスや旨味を織り交ぜながら複雑な味わいにします。視覚、味覚、そして価格で記憶に残る商品に仕上げます。

経営改善⑤:店舗の看板やファサードの改修

ターゲットが決まり、ウリ商品や主力カテゴリーが決まった段階で、看板やファサードの改修計画を立てていきます。

もちろん、そこに多大なコストを掛ける必要はありません。
飲食店に興味を持ってもらい、通行人に入店してもらう仕掛けづくりが目的ですので、ポスター1枚でも十分効果を得られます。

ターゲットである通行者にウリ商品や主力カテゴリーが伝わるように店頭を作り込みます。特に看板をより効果的に活用できれば集客力は一気に向上します。

効果的な看板制作のノウハウに関しての記事はこちら

飲食店の看板一つで売上を飛躍的に伸ばす方法【成果を保証します】

個人で居酒屋を経営されているオーナー様へ向けた記事です。居酒屋の強みを活かした店作りを基本に集客力を高め、地域一番店を実現するための考え方を3つにポイントを絞り簡潔に解説します…

 

経営改善⑥:損益計算書と貸借対照表の正確な把握

飲食店経営における損益計算上でFLRという考え方があります。

  • F Food Cost   ⇒ 原材料費
  • L Labor Cost ⇒ 人件費
  • R Rent       ⇒ 賃料

このFLRが売上に対して70%を下回らなければ、最低限の利益確保が難しくなります

まずは月次で数値を把握できるように仕組みを構築します。

帳簿作成や会計ソフトへの入力作業を日々実施出来るようにスケジュールを組みましょう。飲食店の経営改善で重要なのは現状を見える化していくことです。

併せて、貸借対照表ですが、減価償却費など複雑な経理処理はさておき、最低でもキャッシュフロー(現金の流れ)だけは、正確に把握できるようにしましょう。

具体的には、預金通帳を【支払い用】と【売上入金用】に分けることをお勧めします。お金の流れを整理し、シンプルに数値を把握できるようにするためです。

経営改善⑦:仕入先の見直し

長い付き合いがあり、価格交渉をせずに付き合いを継続している仕入先などがあると思います。

当然、飲食店の開業当初は、新規契約をとるためにリーズナブルな価格にて提案をしてくれていたはずです。

しかしながら、彼らも商売のため商材提案を徐々にしながら、納品単価を少しずつ上げている可能性があります。

そのため、売上アップと並行して、仕入先を見直していきます。
仕入先の見直しで得られる効果は下記の通りです。

仕入先の見直し前

月商 1,000,000円 x 材料費率 35% = 原材料費 350,000円

仕入先の見直し後

月商 1,000,000円 x 材料費率 32% = 原材料費 320,000円

▲3% ⇒ ▲ 30,000円

月商 2,000,000円の場合 ▲60,000円

月商 3,000,000円の場合 ▲90,000円

仕入の見直しで、利益の上乗せが出来ます。もちろん仕入先との関係性もあり、変更が難しい場合があります。その場合は、仕入れ価格の見直しを交渉できるように他社からの見積もりを用意しましょう。

まとめ
~飲食店の経営改善の手法を7つのポイントに分けて解説~

まずは自店舗の立ち位置を客観的に把握するために商圏人口を調査してみましょう。その上で、何を改善すべきかを精査していくことをオススメします。

ターゲットの再選定が必要なのか?

ウリ商品の見直しが必要なのか?

看板の見直しが必要なのか?

併せて、コスト削減の必要性のある勘定科目を洗い出し、業者さんとの交渉を進めてみてください。

飲食店の経営改善に関しての記事はこちら

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