アメリカ飲食店チェーンの動向【Chick-fil-Aが気になる】

アメリカの飲食店チェーンの動向が気になる方へ向けた記事です。

アメリカのチェーンレストランの売上規模トップ10(2019年度)

企業名 英語表記 カテゴリー 売上
(106円/$)
$
(in billion USD)
マクドナルド MCDONALD’S バーガー 4兆2830億円 40,41
スターバックス STARBUCKS スナック 2兆2660億円 21,38
チックフィレイ CHICK-FIL-A チキン 1兆2000億円 11,32
タコベル TACO BELL グローバル 1兆1970億円 11,29
サブウェイ SUBWAY サンドイッチ 1兆810億円 10,20
バーガーキング BURGER KING バーガー 1兆810億円 10,20
ウェンディーズ WENDY’S バーガー 1兆350億円 9,76
ダンキンドーナツ DUNKIN’ DOUNUTS スナック 9780億円 9,23
ドミノズ DOMINO’S ピザ 7460億円 7,04
パネラ ブレッド PANERA BREAD サンドイッチ 6240億円 5,89

出所:statista / Leading chain restaurants in the United States in 2019, by sales

アメリカ飲食店:Chick-fil-A チックフィレイの売上高および成長率

このアメリカの外食チェーンの中で、ここ5年間で急成長を遂げているチックフィレイ(Chick-fil-A)について詳しく解説したいと思います。

アメリカのチックフィレイの直近5年間の成長率と売上高



こちらのチックフィレイ(Chick-fil-A)ですが、2014年の売上高は、58億ドル(約6150億円)で、アメリカでの売上規模は8番目に位置しておりました。

そして、そのわずか5年後の2019年の売上高は、113.2億ドル(約1兆2,000億円)となり、アメリカでは、マクドナルド、スターバックス、チックフィレイと第3位の規模にまで業容を拡大しております。

さらに特筆すべきはチックフィレイの1店舗の平均売上の高さです。
アメリカの売上トップ10の中で上位5店舗を上から順にグラフにしてみました。

チックフィレイ(Chick-fli-A)の平均売上高は群を抜いて高いことが分かります。

アメリカ外食産業トップ5の総売上高と店舗当りの平均売上高



アメリカにおけるマクドナルドの291万2千ドル(3億8百万円)に対して、チックフィレイ(Chick-fli-A)は、なんと451万7千ドル(4億7千8百万円)で、1.5倍以上の売上高を誇ります。

 

アメリカ飲食店:Chick-fil-A チックフィレイとはどんな会社なのか

このチックフィレイですが、本社はアメリカのジョージア州のアトランタにあります。

チックフィレイの創業ですが、1967年にサミュエル・トルエット・キャシー氏によって設立されたアメリカの外食チェーン企業です。

チックフィレイの株価などを調べようと、アメリカの株式市場をチェックしてみましたが、企業名が全く見つかりませんでした。

さらにチックフィレイを詳しく調べてみたら、売上高1兆円規模の企業にも関わらず、なんと非上場の家族経営でした…。

チックフィレイ(Chick-fil-A)は、フランチャイズビジネスに特化した商売をしています。但し、出店者との契約が非常に独特なため、そちらも後ほど解説します。

チックフィレイの店舗数と出店エリア

2019年現在、このチックフィレイは、アメリカの47州、ワシントンDC、そしてカナダにて、2,500店舗のパートナーへ新鮮で下処理を済ませた食材を供給しています。

週6日間、毎日チックフィレイのパートナーへ配送をしており、チキン、カット野菜やビスケットなど、鮮度を保つための工夫をしているようです。

チックフィレイは全店で日曜日が休業

そして、先ほど週6日間毎日と申し上げましたが、日曜日は休業日です。
それでも、1店舗当たりの平均売上高は、アメリカでNo1の売上をほこるマクドナルドの1.5倍以上です。本当に信じられないです。

そもそもは、チックフィレイの創業者であるサミュエル・トルエット・キャシー氏がキリスト教を信仰されていたことが始まりで日曜日を休業していたようですが、現在もその流れを受け継ぎ日曜日は全店舗を休業しています。

仮に日曜日を営業すれば、年間10億ドル(1060億円)の売上が見込めるというアメリカのアナリストもいるようです。

但し、従業員満足があるからこそ、今のような売上を確保出来ている可能性もありますし、現チックフィレイCEOのダン・キャシー氏も現状を維持しているようです。

ちなみに、今のところアメリカとカナダのみで、日本へは上陸していないようです。コンセプト的に難しそうですね。

 

アメリカ飲食店:チックフィレイ(Chick-fil-A)メニューの特徴

アメリカのチックフィレイはその名の通り、チキンに特化したメニュー構成です。ところで、アメリカではビーフを挟まないサンドをサンドイッチと位置付けています。

ハンバーガーチェーンのShake Shackでもレモネードを提供していたと記憶していますが、アメリカでは当たり前の流れなのでしょうかね。

恐らくチックフィレイでは調理工程も簡素化されており、少人化を可能とする仕組みがあると思います。メニューを見る限り、フードの調理は、フライ、グリル、盛り付けのみのようですが、仕込み作業についても非常に気になるところですね。

恐らくそこは見せてはもらえないでしょうが気になるところです。

Chick-fil-A ® Chicken Sandwich 3.75ドル

Chick-fil-A ® Grilled Chicken Club Sandwich 6.75ドル

Chick-fil-A ® Nuggets 3.85ドル

Cobb Salad 7.99ドル

Chick-fil-A ® Lemonade 1.99ドル

 

アメリカ飲食店:チックフィレイ(Chick-fil-A)サービスの特徴

ACSI調査において、Covid-19の影響を強く受けたアメリカの外食産業において、チックフィレイのスタッフのサービス力の高さは、ファストフードチェーンの中で6年連続1位をキープしています。

2%の減少にもかかわらず、Chick-fil-Aは84で業界リーダーであり続けています。これは、Chick-fil-Aが両方のレストランセグメントで6年連続で1位になっています

出所:ASCI® Press Release Restaurants 2019-2020

アメリカの外食産業におけるファーストフードの立ち位置は低い部類に入り時給は高くありません。そして、チックフィレイにおいてもほぼ業界平均なみです。

では、なぜアメリカにおいて、チックフィレイのホスピタリティーのレベルが高いのか。

チックフィレイの従業員満足度を高める考え方と仕組み

実は、チックフィレイでは、お店でのキャリアに関係なく、従業員のキャリアへの支援とトレーニングに対し、より多くを投資しているようです。

それと、チックフィレイでは従業員を家族と同じくらい大切な存在として接しており、例えば従業員の家族が入院すれば、その家族と病院のスタッフにお見舞いの品を送りるなどのケアをします。

さらに従業員への教育システムも充実しています。

従業員がより高い賃金と、より大きな責任を得られるよう、マーケティング、クレンリネス、キッチンオペレーション、そしてドライブスルー管理業務における管理職の地位を目指すためのキャリアアップ制度があります。

そして、チックフィレイ店舗のマネジメント管理に関わる専門分野の証明書を取得するためのトレーニングクラスも用意しています。

要するに、従業員満足を高めるための考え方が会社全体にあるということですね。素晴らしい。

そのため、従業員の満足度が著しく高く、モチベーションの高いチームが作れているため、アメリカのACSI調査でも高い評価を得られるのだと思います。

 

アメリカ飲食店:チックフィレイ(Chick-fil-A)のFCビジネス

チックフィレイ(Chick-fil-A)のFCビジネスについて解説していきます。

事業パートナーをフランチャイジーではなく、オペレーターと呼びます。
理由は、パートナーとの契約が運営委託になるからです。

そのため、権利を売却したり、家族へ引き継ぐことは原則出来ません。もちろん第三者への事業譲渡も出来ません。 また立地開発もチックフィレイ(Chick-fil-A)主導で実施されるため、自社競合が起こるような立地への出店は認めてもらえないようです。 そのため、売却などを前提にFCビジネスを検討されているオーナーにとっては選択肢から除外したほうが賢明だと考えます。

それでもアメリカにおけるチックフィレイ(Chick-fil-A )とのフランチャイズ契約は圧倒的な人気です。理由は、出店費用の安さと一店舗当たりの売上規模の高さにあります。

チックフィレイ(Chick-fil-A) は、アメリカでのフランチャイズ契約の所有権を維持する代わりに、不動産購入、建設費、厨房機器などの初期投資をほぼ全て負担します。オーナー側の負担は、フランチャイズ料の$10,000(約100万円)のみです。

但し、ロイヤリティ費用は他のFCチェーンよりも高く、売上の15%と純利益の50%をチックフィレイ(Chick-fil-A )へ支払うこになります。

このような条件にも関わらず、チックフィレイ(Chick-fil-A )とアメリカでフランチャイズ契約を結びたいと考える方が多く、年間20,000件にも及びます。

しかしながら、毎年75から80件のみ新規契約が結ばれ、わずか0.4%の通過率を考えれば、アメリカ国内でどれほど魅力的なオファーなのかを理解できると思います。

 

まとめ
アメリカ飲食店チェーンの動向【Chick-Fil-Aが気になる】

チックフィレイ(Chick-fil-A)ですが、アメリカのNewsweekの2019 America’s Best Customer ServiceレポートやQSRの2019 Reader’s Choice Awardsなどで非常に高い評価受けております。さらに、2020年には最も働きがいのある会社トップ100の1つに選ばれたりと、規模の拡大と企業の質の両面を同時に高めている非常に興味深い企業だと思います。

今後、売上規模でスターバックスを抜き、アメリカで第2位になるのではないかと言われている注目すべき企業ですので、渡航する機会があれば、ぜひ訪問してみてください。

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