エントランスとは英語のENTRANCEがカタカナ読みになったもので、入り口を意味します。
今回は店舗の入り口周辺を少しだけ手を加えることで見違える空間へと変える考え方について解説します。
なぜ店舗エントランスでワクワク感を演出すべきなのか
理由は、ハロー効果を活用し、入店前から店舗のイメージを高めるためです。
また、Nibettand Wilson〔15〕、〔16〕は 、発生のメカニズムの異なる2つのタイプのハロー効果の存在を指摘している。その1つは、被評価者の全般的な印象が、各評価要素についての知覚や評価そのものを変容させ歪曲させてしまうという「強いハロー効果」であり、もう一つは全般的な印象があいまいな知覚的てがかりの翻訳や、欠如している情報の推測に一定性の方向性を与えるという「弱いワロー効果」である。
出所:日本経営工学会論文誌 2次因子分析によるハロー効果の測定
つまり、外見の良い人物が信頼できる人だと勘違いをさせる効果のことを言います。
例えば、ディズニーランドへ行く際、舞浜駅に到着した瞬間から気持ちが高揚する感覚があると思います。
電車が駅に到着する前から園内の施設が少し見えたり、隣接するホテルミラコスタが見えてきたりと、気持ちを高める仕掛けをいくつもしています。
店舗のエントランスでも同じように、お客様の期待値を高めることで、この良い意味での勘違いを引き出すことが出来ます。
このカフェ、凄くお洒落で、バターとコーヒー香りが良い感じねぇ
美味しいかもしれないなぁ
じゃあ、美味しいはずだろう!
期待値が高まる店舗のエントランスとは
参考までにいくつかの店舗を例にエントランスの与える効果を解説していきます。
店舗①:商店街にあるおでん屋さん
商店街の中にある有名な店舗のエントランスの画像です。
店舗には、立ち飲みの席が数席のみですが、常に行列で並ばないと食べれません。
並んでいる最中、エントランスでは、おでんの匂いと大きな鍋から溢れそうな具材が見え、『美味しそう』、『早く食べたい』という感覚にさせられます。
店舗②:繁華街から少し外れた国道沿いの炉端焼き屋さん
こちらは有名な店舗のエントランスから見える厨房内の風景です。
エプロンを巻いているスタッフの方の腰の位置当りに炭の焼き台が設置してあり、エントランスからは、野菜やお肉を焼いているシーンが見えます。
そのため、『このお店の料理、美味しいそう』、『早く食べたい!』と、着席前から良いイメージを膨らませる効果を入店者へ与えます。
店舗③:古民家を改築したカフェ屋さん
昼間は、主婦層が多く来店しているお洒落な店舗です。
入り口の左側から少しだけ店内が覗けるため、店舗エントランスの雰囲気を確認することが出来ます。
古民家を改築した店舗ということもあり、木のぬくもりやエントランスの植栽の緑色による癒しやリラックス効果で、『落ち着けそうだなぁ』という印象を来店者に与えることができます。
店舗のエントランスの改修事例
店舗エントランスの改修事例を具体的な作業内容と共に解説していきます。
店舗①:和食屋のエントランスの改修事例
改修前のエントランスイメージ
エントランスの改修前は、店舗に入店後すぐに奥行約10m、幅1.2mの通路があり、その奥左手にレジカウンターが設置されていました。
そのため入り口が間延びした感じでした。さらに照度が高く、通路左手のトイレも少し覗くと中が見えてしまう状態でした。
改修後のエントランスイメージ
改修後は、エントランス部分からレジカウンターまで、等間隔に敷石を配置し、その周りを玉石で埋め尽くしました。
併せて、左手トイレ入り口に少し背の高いのれんを垂らし、中が覗けないようにしています。
天井からの照明は全て外し、間接照明の役割を兼ねて、床に電球色のライトを6か所に配置。併せて、店舗奥の壁面にブラケット照明を取り付けました。
これにより下からの光が天井を照らし、艶感のあるイメージになり、入店時の期待値を高める効果が得られました。
店舗②:寿司屋エントランスの改修事例
改修前のエントランスイメージ
改修前は、寿司屋であることは分かりますが、利用の仕方がいまいち分かり難い状態でした。
POPに値段も記載されていましたが、テイクアウトとイートインの価格が違うのかも、と思わせる印象がありました。
改修後のエントランスイメージ
まずワクワクしてもらえるようにエントランスには、漁で使用される投網や浮きなどをディスプレイ(魚屋さん協賛品なので無料でした)。
さらに商品の品質が高いことをアピールするために築地直送を看板にて表現しました。
価格も見直し、食事の予算をイメージ出来るよう、看板とPOPを設置し、入店のハードルを下げました。
店舗③:こだわりカレー屋エントランスの開業事例
開業前のエントランスイメージ
こちらの店舗エントランスは、元々ワインの印象が強いイメージでした。
色々なものが雑然と置いてあり、何を強調したいのかが不明確な店舗エントランスでした。
開業後のエントランスイメージ
ランチの集客力が高いということでイメージを刷新。
店舗のエントランスには緑をあしらい、柔らかな雰囲気に変更。
天井近くの壁面に設置されたボックスには、間接照明用のテープライトと造花を配置し、陰影が壁面と天井を照らすように施工してもらいました。
カウンターや棚板は塗装済みの古材をモザイク調に不規則にして施工し、アイドルの時間帯は女性向けのカフェとしても使用できるようにしています。
まとめ
~店舗のエントランスを改修しお客様の期待値をUP~
店舗のエントランスが持つ役割を理解し、効果を最大限活用できれば、お客様に与える印象を大きく変えることができます。
お客様がもつ店舗に対しての印象を、良い意味で操作出来れば、食後の満足度を向上させることは可能です。もちろん料理が美味しいのは前提ですが…
まずは自店舗でエントランスを効果的に使えているのかを確認した上で、必要に応じて改修してみては如何でしょうか。
この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
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