2019年7月にベトナムのハノイにて飲食店を開業しました。
約一年が経過しましたが、収益性の高い商売は実現可能だと考えています。
キャッシュフローベースですが15%から30%、投資回収期間は1年間から長くても2年間以内。
今回は、Covid-19の影響を受けながらも、商売を継続出来ている要因などについて詳しく解説します。
飲食店のターゲットはベトナム人にすべきか
答えは『もちろん、イエス』です。
特に事業規模の拡大を検討されているようであれば、ベトナム人をターゲットにすれば成功の可能性が高まります。
結局のところ、人口が増加傾向で、外資系企業の進出や投資の伸びに比例して、現地の方の可処分所得が増加していることが理由に挙げられます。
2019年現在 人口統計と実質GDP成長率 |
|
ベトナム人口 | 9648万人 |
ハノイ | 809万人 |
ホーチミン | 900万人 |
実質GDP成長率 | 7.0% |
さらに常にインフレが継続し、貨幣価値が低下していくため、収入を貯蓄せずに消費へ回す傾向が非常に強いと感じます。
朝は路面のお店でストリートフードを食べてから会社へ出勤し、お昼は近所の飲食店でランチを食べたり、お弁当を購入しオフィスで食べたりしています。そもそも家庭で弁当を作り、持参してくる従業員はあまり見たことがないです。
ベトナムでの飲食店経営にパートナーは必要か
私の個人的な見解ですが、パートナーはいた方がベターだと考えます。
外資系企業として開業した場合は、労使交渉などの問題の発生率は上がります。そのため、その辺りをしっかりと整備した上での法人設立は必須です。もちろん、そこに掛かるコストは高くなります。
逆に、現地のパートナーと現地企業を設立し、マネジメントはベトナム人へ任せることが出来れば、現地の法律に精通している弁護士や税理士などを採用しても現地価格にて対応してもらうことが出来るため、コストは抑えられますし、ボイコットなどの問題は発生しづらくなります。
余談ですが、以前勤めていた会社で、2012年にチェーン店として初めて飲食店をベトナムに開業させた経験があります。その際、ベトナム人の従業員全員に仕事をボイコットされ、日本人だけで営業をせざるを得ない状況になりました(汗)まぁ、そのあとスタッフ達とは和解し、翌日から通常営業を再開できましたが、人間関係は最悪でした…
だからこそ、ベトナム人パートナーを探し、マネジメントを任せることをお勧めしています。
ベトナムでの飲食店の開業や経営における留意点
まずはビジネスモデルの構築と投資コストの適正化です。
投資コストは月商予測の3倍を上限と考えた方が良いです。
ここには、什器備品や研修費などすべての開業費を含みます。
例えば、月商予測が3万ドルであれば、投資コストは9万ドルが上限です。
そして、キャッシュフローで20%のビジネスモデルを飲食業で作ります。
予測売上 30,000ドル
利益率 20%
キャッシュフロー 6,000ドル
投資コスト 90,000ドル ÷ 6,000ドル = 15ヶ月(1年と3ヶ月)
【地域一番店】で営業利益20%の飲食店を作るには
店舗の開業や再建で役立つ考え方【ランチェスターの法則を活用】
店舗の再建や開業にはランチェスターの法則を活用することをおすすめします。マーケティング弱者戦略を用いれば、個人店でも大手チェーン店と十分に渡り合うことが可能です。今回はこの活用方法を解説していきます。
ベトナムでの飲食店の物件契約や内装工事についての相場は
もちろん賃料なども相場があるため、リサーチは必須です。
例えば、物件契約に際しては以下のことの留意してください。
エリア | 家賃相場 (㎡単価) |
内装費用 | 契約前の注意点 |
ハノイ一般 | 12~20ドル | 居抜き物件を中心に探すことで、初期投資を抑えることが可能。
日系企業へ内装を依頼すれば350~700ドル/㎡ 現地企業の場合、250~400/㎡ |
大家の不動産権利書保有有無について要確認(外食企業側は、投資登録証明書の取得時に土地の確保又は 物件の賃借に関して資料の提出が求められる。 |
ハノイKim Ma | 10~40ドル | ||
ホーチミン1区 | 20~90ドル | ||
ホーチミン3区 | 20~60ドル |
ベトナムでの飲食店の仕入先の開拓は
仕入れは、現地価格での契約が基本です。
仕入先については、業態コンセプトや使用商材により異なりますが、下記の2社がベトナム国内の和食レストランとはメインにお付き合いをされています。
ベトナムで和食食材を多く取り扱う卸問屋2社
1998年にHCMCのレタントン通りにAKURUHIという日本の食料品輸入専門店をオープン。ホーチミンの和食レストランに商品を販売したのが商売の始まり。現在は、ハノイ、ダナン、ハイフォンにも日本の食料品を提供している。
2004年日本酒と焼酎をベトナムへ輸入販売事業からスタートいたしました。2019年現在、ホーチミン本社に加え国内4拠点(ニャチャン、ダナン、ハノイ、ハイフォン)を構え、レストラン・ホテルまたはリテール向けに様々な食品・飲料を輸入販売ビジネスをベトナム全土で展開しております。
ただ上記2社については、商材によっては価格の高いものもあるため、実際は現地の市場やローカル企業向けの問屋などの開拓も同時に進めていくべきだと考えます。
飲食店の開業に際して駐在は必要か
パートナー次第ですが、駐在経験があれば必要は無いと考えます。
駐在をすべき理由は、ベトナム人ですら現地のことに詳しくない場合があるからです。日本人だからといって、全国どこでも詳しいかと言われれば、そんなことは無いはずです。
例えば、ハノイ(北側)とホーチミン(南側)でも同様に、フォー(米麺)の出汁一つとっても、使用される骨やタレの違いなどに大きな差が出ます。
これは私の体験談ですが、飲食店の開業のためベトナムに駐在していた時に、メニューやレシピ作りをベトナム人と一緒にしました。
ただ、どうしてもこれという商品が作れず、ふと気になって彼に質問をしました。
普段、外食はどこに行くの?
いつもだいたい同じところで食事してますよぉ
・・・(汗)、よしっ今日はメシ食いに行くかね…
一般的には、保守的な文化のため、あまり他社を見ていない可能性があります。そのため感覚に頼って判断をされるベトナム人が多いように感じます。
そのため、現地の理解度を深める上で、最低一ヶ月は滞在しながら、マーケットのことを徹底的に調査していくことをお勧めします。
その上で、現地の方の意見を取り入れながら、より良いものに仕上げていくことが成功への近道です。
まとめ~ベトナムで飲食店経営は儲かるのか【正しい商売で適正利益を確保】~
以前、ベトナム外食大手のGolden Gateグループの決算の数字を見ましたが、当時は会社全体の営業利益が7%でした。恐らく工場やその他の設備投資も含めてだと思います。
そのため、店舗単体で見れば10%以上の営業利益が出せていれば良い方だと思います。
但し、個人で開業を目指すのであれば、今回のCovid-19のようなリスクも踏まえて、投資回収を1.5年以内にできるビジネスモデルを構築すべきだと考えます。
仮に、問題が発生していても、キャッシュフローさえ潤沢であれば生き残ることができますので、ぜひ儲かるお店の開業を目指して頂ければと思います。
ご質問・ご不明な点はありませんか?
無料相談0円
まずはあなたの抱えているお考えやご要望などを詳しくお聞かせください。
もちろんどんなに些細なご質問でも結構ですのでお気軽にご相談ください。
弊社コンサルタントが親身になって対応いたします。
※大変お手数ですが、下記フォームに必要事項を入力後、送信ボタンを押してください。