まずベトナムにおける飲食事業ですが、コロナ禍でも店舗の自助努力のみで存続出来ています。
国が豊かではないため日本のように政府からの支援は一切ありません。
それでもベトナムで飲食事業の展開を試みるのは、それだけマーケットに高い可能性を感じているからです。
今回は、ベトナムでの事業展開を目指す上で大切にすべき考え方ついて簡単に解説をしていきたいと思います。
ベトナムにおける新型コロナウイルスによる影響
まず新型コロナウイルスですが、ご多分に漏れずベトナム市場もかなりの影響を受けています。
国民性もあるとは思いますが、ベトナム人は新型コロナウイルスに対して日本人以上に過敏に反応します。
新たなケースが出れば即外出を控えてしまいますし、政府からも罰金を伴う外出規制も発令されます。
もちろんベトナムへの渡航は規制されているため、一年以上現地へは訪問出来ていません。
それでも、この一年もの間、店舗を健全な状態で存続させてこれました。
それは、ひとえに信頼のおけるベトナム現地のパートナーの存在が大きいと思います。
だからこそ、この危機的な局面においてもお互いに知恵を出し合い、試行錯誤しながらも生き残ることが出来ているのではないかと感じます。
ベトナムの飲食事業における経営理念の役割とは
現在、飲食事業の発展を目的に2店舗目の開業を6月に控えています。
このような状況下でも飲食事業の発展に注力出来ている理由はパートナーとの理念共有にあると考えています。
Twitterでもつぶやきましたが、ベトナムのパートナーとはお金以上の価値観で繋がっています。
ベトナムでの商売を通じて学んだこと
【理念を浸透させ時間を掛けてでも全てを現地化していくこと】
目的が利益だけになると経営が悪化すれば関係も悪化する
『事業を通じて何をしたいのか』を明確にし、コロナでもやり抜く・諦めない強い組織を作り上げる
会社の目的や理念の浸透がとても大切かと pic.twitter.com/czNrpHGcon— 宮城 崇@飲食店専門サポート (@InshokukenZen) May 6, 2021
理念とひとえに言っても、経営理念、行動理念、存在理念などがあります。
その中でも特に重視してきたものが、存在理念です。
『なぜベトナムに法人として存在しているのか?』
つまり企業の存在意義と事業領域を示し、企業として存在することの根本の目的を定義したものです。
それが以下の4点です。
関わる仲間の生活を物心両面で豊かする
食を通じてお客様に幸福をもたらす
国へ正しく税金を納め社会貢献をする
最後に我々経営陣が豊かになる
非常に単純な内容ですが、これをパートナーに浸透させるためには有言実行にて行動しなければなりません。
もちろん当初は私の言動に対して半信半疑だったと思います。
だからこそ、言行一致に重きを置き、自分自身が率先垂範にて行動することを意識しました。
それが出来てはじめて、存在理念がチームに浸透しはじめたのではと感じます。
特にオンラインでのミーティングが多くなり、実際の感情が伝わりにくい環境でしたので細心の注意を払いました。
例えば、十分な売上を確保できない局面でも『なんで売上が上がらないんだ!』と一方的には攻めません。
もちろん売上が不足すれば店舗の存続が危うくなります。
それでも一方的に攻めるのではなく、あくまでも同じ立場や目線で物事を考えてもらえるよう、『十分な売上が立たず利益が出ないのは立てた戦略に問題があるから』というスタンスを貫きました。そして、共に考動し、時にはアドバイスをしながら数値改善に努めていきました。
コストについても同様に、人件費率が上昇し収益性が低下した場合でも『2%も人件費率が上昇させるな!』と一方的に攻めることはありません。
まずは原因の究明を急ぎます。
それを翌月に持ち越さないよう共に考動し、日々コントロールできる仕組みを作り上げてもらいました。
つまり、共に組織を作り上げることに重きを置いた結果、理念への理解度が深まったと考えます。
そして、理念を共有してくれる仲間が一人、二人、三人と少しずつ増えていくことで組織が強くなるのを実感しています。
特に新型コロナウイルスの感染拡大など、店舗の収益性が著しく低下したタイミングや事業の存在が危ぶまれる中での発言は、理念の浸透度を高める絶好の機会だと感じます。
このタイミングで発言をぶらさないことが何よりも大切です。
ベトナムでの飲食事業を現地化すること
海外、特に東南アジア全般に言えることかもしれませんが、商売を優位に進めていくために現地化していくことは必須だと感じます。
特に物件の選定や賃料の交渉など、商習慣や相場観をしっかりと理解したベトナム現地のメンバーへ一任することが何よりも重要です。
以前、『タイ進出を打診されたことがあるけど、どう思う?』という問いを受けたことがあります。
理由は、タイ進出に興味のあるメンバーがいるからと仰っていました。
もちろん海外進出を事業戦略として持つのは良いと思いますが、そんなに簡単なことでは無いと常に感じています。
海外へ進出するだけであれば、キャッシュが潤沢な企業であれば進出は容易です。
そして、起業に詳しい弁護士や企業を雇い、法人を設立し、物件を選定し店舗を作れば良いだけのことです。
弊社でも進出のサポートをしていますが、そこだけであればそんなに難しいことではないです。
もちろん、そこまでの費用は掛かりません。
本当に大変なのは、お店や事業で十分な売上を確保し利益を出していくことです。
さらには社会貢献が出来る事業体になるまで育てていくことではないかと考えています。
日本国内における商売でも同様ですが、関東から関西へ進出するだけでも相当な準備が必要です。
それが海外で、しかも社会主義国であるベトナムとなれば、なおのことそれ相応の準備を有します。
十分にリサーチした上で、事業をスタートしても思いもよらない不測の事態に直面することはあります。
それが商売だと思います。
つまり、それ相応の覚悟と決心をもって駐在できる人間でなければ、現地のメンバーと信頼関係は築けません。
そのカメのような歩みの中で、共に苦労を重ねながらコツコツと地道な努力を続ける覚悟のある人間でなければ現地化は難しいと思います。
お恥ずかしい話、かくいう私も10年前にベトナムのハノイに駐在した際には、従業員にボイコットされた経験があります(汗)
その覚悟が全く足りず、ストレスと孤独感を現地の人間にぶつけてしまっていたのだと思います。。。
まとめ
~ベトナムでの店舗マネジメントの第一歩【理念浸透と現地化】~
もちろん、ベトナム現地に信頼のおけるパートナーがいたとしても、今回の新型コロナウイルスのまん延のような厳しい時期が試練として必ず訪れると思います。
そのタイミングでも個ではなく、組織・チームとして、考え、行動できる体制を整えておく必要があると考えます。
そのためには、日ごろからの理念共有と、オペレーションの現地化が必須ではないかと、実務を通じて感じています。
今回は以上で終わりにしたいと思います。
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