ベトナムの飲食店が熱い『レモンティー専門店』ハノイ編

ベトナムのハノイへ飲食店を出すなら今がチャンス

こんな人に読んでもらいたい
ベトナムのハノイへの進出を考えている経営者の方向けの2分間で読める記事です。

今回は、ベトナムのハノイで飲食店の開業を考えるなら、今からが絶対に面白いマーケットだということに気付かされた出来事をご紹介したいと思います。

ベトナムのハノイ進出が今であるポイントは3点

ポイント①:個人や小規模事業者でも戦える市場がある

先日、ずいぶん久しぶりにベトナムのハノイ旧市街地にあるホアンキエム湖より少し北のあたりをバイクで流しておりました。

この辺りはハノイの中でも外国人向けの宿泊施設や観光案内所などが多く、ハノイを訪れるツアーリストが多く滞在しているエリアの一つです。そして、この辺りの飲食店はほぼ個人店の集合体のような状態ですが、夕方以降のピークタイムはどこの飲食店も満席で全く入店が出来ない状態が続きます。恐らくハノイで一番人口密度が高い場所です。

ベトナムホアンキエム湖周辺
夕方以降のホアンキエム湖周辺はこんな感じで歩くのも大変です

通常ハノイの方は無表情の方が多いのですが、商売っ気の強い飲食店などは店頭にて呼び込みなどを行っており、ベトナムのハノイではめずらしく愛想の良い店員さんが多いエリアです。こんな感じで飲食店が乱立しているため、ハノイで指折りの競争の激しいエリアでもあります。

ベトナムハノイ飲食店03
こちらはいつも満席のフルーツたっぷりのアイスクリーム専門店 HOA BEO
ベトナムハノイ飲食店04
ここは観光客に有名なハノイのレストランNEW DAY RESTAURANTでも空席もチラホラ。。。

そんな状態なので、とにかく満席ウェイティングの飲食店もあれば、ガラッガラの空席だらけで完全に閑古鳥が鳴いている飲食店もあります。

ハノイでも東京でも国に限らずどこも競争が激しいなぁ、と部外者ぶって街を観察していました。
ちなみにハノイのこのエリアは、外国人の観光客で常に賑わうため、常に活気があります。それに比例してハノイで一番賃料の高いエリアですが、ほぼ物件が出ません。さすがに飲食店の開業の候補地からは完全に除外をしていますが、小規模でも勝てるマーケットが存在しているのは事実です。

ポイント②:コンテンツ次第で爆発的なヒットになる

そして、少し離れた北西側へさらにバイクを走らせ、ベトナムのハノイのローカルの方が多いエリアへ移動。少しすると店頭に人だかりが出来ている非常に気になる飲食店を発見しました。

次の打ち合わせまで少し時間があったので、早速こちらの飲食店へ立ち寄ってみることに。店舗名は、【チャー・チャイン・ブイ・フォー】というハノイにあるレモンティー専門の飲食店です。

こちらが店頭の様子

明確なターゲット選定:客層は学生が中心

その名の通り『チャー・チャイン(レモンティー)』を含むドリンクメニューが約30種類と、かなり豊富。そして、価格は、10,000ドン(約50円)から40,000ドン(約200円)とハノイの方でも購入しやすい非常にリーズナブルな価格帯の品揃えです。
そのため、我々以外の客層は、
女性中心で全てが学生でした。

『恐らくハノイの方に買い求めやすい価格帯が繁盛の理由なのだろう!?』と考えながら、さらに観察を続けていると、ベトナム『Grab』頑張ってくれぇ~でご紹介したGrabバイクが店頭に停車。

圧倒的な商品力:通常の約2倍サイズのレモンティー

何やら店員さんから商品を受け取り、外へ出てきました。そのバイクの運転手が手にぶら下げている商品を見て驚いたのが通常のカフェで販売している商品の2倍のサイズはあろうかというチャー・チャイン(レモンティー)。とにかくサイズがデカい。。。
早速、飲食店のカウンターでドリンクを注文し、歩道に用意されたテーブルにて待機していると、数分後にドリンクが運ばれてきました。

生のレモングラスがザクザクと入り、見た目とは違いサッパリとした味わいのレモンティー
レモンやオレンジのスライスなどの柑橘系のフルーツがふんだんに入ったレモンティー

 

画像だとサイズ感が伝わりにくいかもしれませんが、予想以上にかなりのボリュームで、満足度の高い商品を提供していることが分かりました。
こちらの飲食店ですが、昼の時間帯よりも夜の時間帯がピークになるようで、店内、店外ともに満席の状態が続くと、現地のパートナーから聞いたので次回はディナータイムもチェックしてみようと思いました。

立地選定の秀逸さ:ハノイの市街地から少し離れた低賃料の物件

こちらのお店ですが行動範囲の広い学生をメインターゲットとしているため、ハノイの主要エリアよりも少し離れた物件を選定しておりました。ですが、それでも大学や高校からの距離は1.5kmほどのためターゲットの商圏エリア内のため、十分に集客が可能なロケーションでした。ハノイは旧市街地が観光客には有名ですが、実はそれ以外にも地元の方訪れるスポットがいくつも点在します。

作業の無駄を徹底的に削減:オペレーションの簡素化

ドリンク専門の飲食店のため、料理の品揃えが圧倒的に少ないです。さらに料理の在庫や作業スペースがほぼ必要ありません。そしてドリンク自体のメニュー数は30種類ですが、作業自体は全ての材料を入れ、混ぜるだけなのでレシピを覚えれば誰でもスピーディに商品を提供できます。そのためピークでも3名のみで営業していました。もちろん、教育の簡略化と人件費の低減化も同時に実現していると思われます。ハノイ店のみならず全店舗が同じメニューで運営しているため、従業員の異動もかなり楽でしょうね。

高効率な飲食店運営:イートインと宅配で収益性を最大化

作業が簡略化されているため提供時間が圧倒的に短くて済みます。そのため、宅配ドライバーを待たせることなく商品を用意できるため、【イートイン+宅配】のビジネスモデルが構築出来ていました。そうなると席数以上の売上確保が可能となり、最悪の場合は物件が無くても飛び道具である宅配事業のみで商売を成立させることが出来ます。

ポイント③:投資コストに関係なく収益性の高い商売が可能

ところで、このハノイ店の店内はとにかく殺風景です。全く特徴のないデザインで、コンクリートの壁面へのペンキ塗装がメインでした。そして椅子はいつものプラスチック製。テーブルだけ少しこだわりスチールパイプで制作。
ハノイだけのデザインかと思ったら、全店舗こんな感じのようですね。

ハノイ店の店内はデザイン性など一切こだわりがなく、背丈の低いステンレス製の小さなテーブルとプラスチックのイスのみ適当に配置されている感じです
ベトナム飲食店05
ハノイ店の従業員さん。シェイカーでミックス中です

そして厨房はといえば、ドリンク専門の飲食店のためシンクと一部作業スペースを用意しているのみのため、至ってシンプル。ほぼ設備投資の必要はありませんね。凄すぎます。

ハノイで『ベトナミーズドリーム』を叶えるなら今がチャンス

ところで、このチャー・チャイン・ブイ・フォーですが、地方都市発祥で、ここ1~2年でハノイなどの都市部へ展開をしてきた後発の業態にも関わらず、ベトナム国内では、すでに138店舗以上チェーン展開をしている(2019年8月時点)レモンティー専門店でした。凄くないですか!?。。。
(※しかもFC展開のため本部はロイヤリティ収入で相当儲けているはずです)

ベトナム人は消費意欲が旺盛ではあるけれども、しっかりと商品価値を見定める人種です。その中で、可処分所得の少ない学生をメインのターゲットとしている業態をあえて展開させるこの逆張り感、素直に勉強させてもらいました。

何はともあれ、人口が増加傾向にあり、常に変化し続けるこのベトナムのハノイでの飲食店の開業は、アメリカンドリームならぬ、『ベトナミーズドリーム』が見れるマーケットだと感じました。

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