ベトナムの飲食店で実施したロックダウンを生き残る8つの対策
ベトナムハノイにてロックダウン解除から一週間が経過しました。今回は我々がいち早くロックダウンからの回復を図るために実施してきたことをご紹介したいと思います。
ちなみに4月30日の段階で、ロックダウン解除前の60~70%までの売上に戻すことが出来ています。そして、5月3日(日曜日)まで大型連休となるため、さらに回復が見込めると予測をしております。
パートナーと進めたロックダウン時の8つの対策
- 対策①:デリバリーメニューなどの二番煎じの対策は打たず即休業
- 対策②:社員は全員休暇、但し50%の給与は保証。開業後に特別賞与で補填を約束
- 対策③:ロックダウン時、パート従業員は全員休暇
- 対策④:仕入れ先へ支払い猶予、但し彼らの商売も考え一部のみ猶予をもらうことで合意
- 対策⑤:ビルオーナーへの賃料の減額もしくは免除を合意
- 対策⑥:3月のPLを週間にて作成をし、キャッシュフローのみ把握することに注力
- 対策⑦:4月の予測PLを作成し、ロックダウン解除後の最低売上を算出
- 対策⑧:SNSにて常に店舗の状況や情報をアップデートする
ところで、今回のロックダウンに際し、べトナム政府からの給付金や助成金などの支援策はありませんでした。。。小規模の事業者にとっては相当きついと感じました。
私の知る限り、税金の支払免除、税金の支払い延長、固定資産税の免除などのみがサポート内容だと思いますが、そもそも税金を納めていない店舗や事業所ばかりなので、実質的な支援はないといえます。国がそこまで裕福ではないので仕方ないとはあきらめていますが。
例えば、政府から金融機関サイドへは下記のような支援要請をしてくれてはいます。
①借入の利息を2020年2月以降免除する
②新規借入の場合は利率を下げる
などがあるようです。しかしながら、1月時点で金利が約6~8%こと、そしてロックダウン後の売上の保証もない中では借入に踏み切れないのが正直なところではないでしょうか。
アフターロックダウンの生き残りをかけチーム一丸で本気の行動
とにかく我々としては、ロックダウンを乗り切り店舗存続のため、手元にキャッシュを残すことを最優先に行動計画を立てました。
1.デリバリーメニューなどの二番煎じの対策は打たず即休業
とにかく傷口を広げない、そして無駄なストレスを従業員へ与えないことを前提に行動しました。正直、ロックダウンの通達後、デリバリーメニューも少しだけ試しましたが、メニュー制作費、広告宣伝費、最低限の人件費などを算出し、実施した場合と実施をしなかった場合の赤字幅を試算しました。結果、今回はデリバリーメニューの実施は見送り、無駄な出血を最小限に抑えられる方を選択しました。併せて、ロックダウン解除後に一気に挽回できる余力を残すことも目的に休業を決断しました。
2.社員は全員休暇、但し50%の給与は保証。開業後に特別賞与で補填を約束
苦渋の決断ではありましたが、全社員が納得をしてくれ合意に至りました。ロックダウンという理由もありますが、それ以上に日ごろからの人間関係や労働環境の整備に努めた結果だと考えています。
3.ロックダウン時、パート従業員は全員休暇
学生中心のチームのため、シフトをカットせざるを得ない状況でしたがこちらも承諾を得ました。通常であれば、反発を受け、退職者が急増します。ただ今回の場合、退職を口にする従業員は一人もいませんでした。こちらは2点のことに注意しながら日ごろから労働環境の整備に尽力してきたことが要因ではないでしょうか。
具体的には、
1点目が毎月店舗従業員には任意参加のパーティーを開催し常にコミュニケーションが取れる環境を整備していたこと、2点目が役割や貢献度に応じて昇給昇格の仕組みを取り入れていたことです。
併せて、ロックダウン解除後に戻ってきてくれたアルバイトには特別賞与で補填をしていくようメンバーと合意しています。
4.仕入れ先へ支払い猶予、但し彼らの商売も考え一部のみ猶予をもらうことで合意
彼らもこのロックダウンの影響を受け、取引先の倒産や債務不履行などが重なり相当厳しい状況でした。それでも出来る範囲内での協力を得ることが出来ました。これも今日現在に至るまで、支払の遅延や根拠も無く値下げ交渉をしないなど、良好な関係を築くことに努めてきた結果だと考えています。結局は普段から気を付けていたことがここにきて役に立ったのだと思います。
5.ビルオーナーへの賃料の減額もしくは免除を合意
ロックダウンで売上が無いことをご理解くださり4月分は免除、それ以外は状況に応じて対応してもらうことで合意に至りました。非常に偏屈な方で付き合いづらい面もある方ですが、常に笑顔で感じ良くお付き合いしていこうとメンバーとは話をしていました。それがこのロックダウンのタイミングで活きたのだと思います。
6.3月のPLを週間にて作成をし、キャッシュフローのみ把握することに注力
銀行からの短期借入も視野に手元資金の確保をはかりました。キャッシュが不足している場合は、ロックダウン解除後に借入れを起こせるよう銀行サイドとも連携しました。
7.4月の予測PLを作成し、ロックダウン解除後の最低売上を算出
仮に最低売上の確保すら困難な場合は、ロックダウン解除後の休業延長も視野に入れて行動していました。
8.SNSにて常に店舗の状況や情報などをアップデートする
ここが今回最大のポイントで、ロックダウン解除後に即集客力を高められるようフェイスブックなどのSNSをフル活用し顧客との距離を常に一定に保つことに注力するよう指示を出しました。それが功を奏した結果となり、再開後の売上が通常時の60%から70%で推移をしております。
正直、今回の判断が正解なのかは分かりませんし、まだまだ予断を許さない状況ではあります。なによりもチームのメンバーが一人も欠けることなく再会できる保証もありません。
しかしながら、多くの飲食店や小売店が廃業に追い込まれる中で、今のところ事業を継続出来ていることを省みれば、最善は尽くせているのではないかと思います。
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