TECHINASIAのレポートを引用しますと、Grabのフィンテック部門であるGrab Financial Groupが韓国の投資会社であるHanwha Asset Managementの主導で3億米ドル以上の資金調達を実施したようです。
300億円以上ですね…凄い。
ちなみに、Grabサイドはこの調達に関してのコメントは控えているようです。
Grabとは
ちなみにGrabですが、シンガポールに本社を構え、東南アジア各国でライドシェア(配車サービス)事業を中心に展開している企業です。
ライドシェアを主軸に、フードデリバリー、イーコマース、ホテル予約などのサービスも展開しています。
今回はこちらのフィンテック部門にて資金調達を実現されたようですが、この資金をどのように活用していくのかに注目が集まるところです。
ちなみにフィンテックとは、Financial(金融)とTechnology(技術)から来る造語です。
ベトナムにて70%以上のマーケットシェアを誇るGrab
ベトナムにおけるGrabのライドシェア事業のマーケットシェアは、2020年の上期時点で70%以上のシェアを維持しており圧倒的な存在となっています。
Grabに続くのがGoViet(Gojek)とbeの2社ですが、両社ともに12%ほどのマーケットシェアですので、Grabがベトナムのライドシェア市場において如何に大きな存在かをご理解頂けると思います。
先行者利益をしっかりと得た形ですね。
Grabの強み
Grabの強みは、ライドシャア事業で得た顧客情報とそれを囲い込むためのプラットフォームを用意していることです。
顧客はGrabアプリをダウンロードすれば、彼らが提供している全てのサービスの利用が可能です。
実は、Grabが提供しているサービスにはライドシェア事業以外に、配車QR決済、フードデリバリー、保険販売、ホテル予約やチケット予約などがあり、プラットフォームを活用した顧客の囲い込みに強みがあります。
こちらがサービスの一覧です。
例えば、日本ではデリバリー代行サービスのUber Eats(ウーバー・イーツ)が有名になりましたが、Grabでは2018年にこのUber(ウーバー)からUber Eats(ウーバー・イーツ)事業を継承し、フードデリバリー事業の【Grab food】をスタートしました。
Grabのフィンテック部門のサービスは
2017年にリリースされたGrabPayがその一つです。
そして、2018年には傷害保険サービスも開始しました。GrabBikeとGrabCarを利用し事故が発生した場合、事故に起因した人身傷害について、責任の所在に関わらずドライバーと乗客を無料にて補償されるように設計されています。
下記が事故時の流れを明記した内容ですが、ドライバーだけでなくユーザーにも事故から保険まで流れを明確に伝えています。
これらのサービスをGrabのフィンテック部門にて運営管理しています。
まとめ
~Grabが韓国の投資会社より3億ドルを調達~
Grabですが、今後の展開が非常に楽しみな企業の一つです。
シンガポールに拠点を置く東南アジアのユニコーン企業の一つですが、まだまだ企業規模の拡大が見込めるポテンシャルがあります。理由は、2020年現在で6億6,000万人のマーケットにて事業を展開していること。
そして、新たな事業領域への進出を画策しています。実際、2020年に入り、他社との事業提携をいくつか発表しています。
例えば、Grab利用者は、今後の展開次第では小口保険の購入やコンテンツ配信など、Grabアプリ経由でサービスを受けることが可能になりそうです。
今回はその事業展開のための資金調達の可能性が高いなぁ、と個人的には感じています。
Grabですが、これからの発展に目が離せない企業の一つですので、今後も注目していこうと思います。