億万長者を生むベトナムでのSNSを活用したイーコマース事業

先日、ベトナムのイーコマース市場の行方が気になる』でも少し触れましたが、現在ベトナムにおけるフェイスブックユーザーは、6,400万人を超えており、これは総人口の半数以上のベトナム国民が何らかの形でフェイスブックに触れる機会を持っていることになります。
さらに
2017年度フェイスブックユーザー数の国別ランキングでは、なんと【7位】となりベトナムでのマーケティングツールとして欠かすことの出来ないものになっているのは間違いないようです。
特筆すべきは
、ハノイとホーチミンに在住しているベトナム人の事業主が開設しているファンページの総数が27,000もあり、起業家精神が旺盛な国民性であることを現しているといえそうです。

私の友人のベトナム人も企業に勤務しながら副業としてフェイスブック上で靴、洋服、食品、そして健康補助食品などを販売し、利益を得ていると話していました。その利益が企業から得る給与所得よりも高いため、独立を検討しているという話でした。

逆に買い手側は、何故大手オンラインショップではなく、フェイスブックなどのSNSを利用し商品を購入するのでしょうか?

そこにはベトナム人の国民性も大きく関係しているように感じます。

1,ベトナム人は商品を手に取ってものの良し悪しを判断する習慣がある。

要するに、他人の評価を確認しつつも、手に取って目で見て自分自身で物事を判断する傾向にあります。
例えば、飲食店での食事においても、「どこで?」、「どのように?」、「だれが?」調理したものなのかを内心知りたがっていたことをマーケットリサーチで学んだ経験があります。
そこで当時私が開業した和食店では、あえて全ての作業が見えるようオープンキッチンにし、ベトナム人に安心感を与えるよう配慮しました。その結果、圧倒的な集客力を得たことは言うまでもないと思います。

2,SNSを活用したオンラインショップの事業者は、非常にユーザーフレンドリーである。

彼らはユーザーからの評価を非常に大切にする傾向にあります。
例えば、『ベトナム『Grab』頑張ってくれぇ~』で取り上げたベトナムのライドシェア大手のGrabのベトナム人のドライバーは、降車の際に必ず「(評価の)星を5つ付けてくださいよ!」と最後に一言添えてから私を降ろします。これがうっとおしいと思うのか、商売意欲が旺盛だと思うのかは評価が分かれるところだと思いますが、80%以上のベトナムのドライバーから同様の依頼を受けますし、もちろんその際は常に正当な評価をするよう心がけています。
それと同様にSNSのオンラインショップの事業者は高評価を得るために返品などを快く受け入れ、ユーザーの満足を最優先に考えています。その結果、リピーターの獲得に成功し、事業規模の拡大に繋げています。

3,SNSはお互いの顔が見えることの安心感がある。

共産主義ということも関係しているかもしれませんが、非常に仲間意識が強く、友人、知人、もしくは顔見知りのヒトなどを非常に大事にします。
余談ですが、ビジネスにおいて名刺はあまり重要ではなく、ベトナム人同士で名刺交換をすることはあまり無いという話を聞いたことがあります。それぐらい「あの人は知り合いだ」ということは重要なのです。
それと同じ考え方で、売り手の顔が見えるフェイスブックなどのSNSというツールが、知り合いという安心感を与えるのだと考えています。

とにかく2020年までに、ベトナム国民の約30%以上がオンラインでサービスや商品を購入するようになると言われていますので、今後のさらなる成長が期待できる巨大なマーケットであることに間違いはなさそうですね。

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