今回は飲食店の接客力を向上させる考え方やポイントを具体的に解説していきます。
飲食店チェーンのファミレスへ行けば、『いらっしゃいませ』からはじまり、『ご注文はお決まりでしょうか?』など、画一的な接客サービスが特徴です。
もちろん、商品力の強いハンバーグレストランなどの飲食店では、ハンバーグを食べたいというお客様をしっかりと取り込んでいます。しかしながら、接客サービスが画一的なのは変わらないイメージです。
実は商品力のみで集客が出来ている飲食店チェーンは、この接客力をさらに磨き上げれば圧倒的な地域一番店になれるポテンシャルを秘めています。
飲食店の接客サービスは商品力をさらに高める役割がある
美味しいものをまずいと感じさせるのは接客
まずいものを美味しいと感じさせるのも接客
これは常に飲食店の接客サービスについて感じていることです。
美味しいと噂の飲食店へ行き、常連さんと新規のお客さんへの接客態度が明らかに違い、料理が美味しくないと感じたことはないですか。
理由は、味覚と感情は密接に関係しており、ネガティブな状態の場合、酸味が増加し、甘味の感覚が減少してしまうからです。
感情状態が味覚に及ぼす影響
味覚は、感情の操作や急性ストレスの適用など、外部から適用されるさまざまな影響によって調整できます。…約550人の参加者から味覚強度評価と快楽評価が収集されました。…分析の結果、ポジティブな感情は甘味の強化と酸味の減少に関連し、ネガティブな感情は酸味の増加と甘味の減少に関連していることが明らかになりました。
出所:The effect of emotional state on taste perception by NCBI
そのため、飲食店における接客サービスが商品力をさらに高める要素になると言えるのです。
つまり圧倒的に接客サービスが良い飲食店には自然と人が集まり易くなるのです。
料理の美味しさは飲食店の接客サービスを通じて伝えるべき
飲食店で接客サービスが良いと感じてもらえる要素の一つに会話があります。
では、飲食店における接客サービスの会話のきっかけは、どのように作れば良いでしょうか。
新規のお客様が飲食店へご来店された場合、注文を取る場面が接客サービス力を示す一番のチャンスです。
注文を通じて料理の美味しさや特徴を伝えるタイミングが会話を始める最高のポイントです。
そこで重要なことが、飲食店のパート・アルバイトに至る全ての従業員が接客のプロとして商品知識を持ってもらうことです。
接客時、お客さまからの質問に飲食店のサービススタッフが的確に答えられるようになることが大切です。
このお肉の産地はどこですか?
そうなんですね!ちなみに焼き加減のオススメは?
じゃあ、それお願いします!
飲食店の接客サービスにおける会話が料理の味をさらに引き立ててくれます。
料理を食べて、接客の際の説明通り、もしくはそれ以上の味であればお客様は感動し、さらに満足度が高まり、飲食店へリピートしてくれます。
料理や接客の良さが口コミやSNSで広がり、飲食店の評判が高まればさらなる集客力アップにも繋がります。
この接客サービスは、飲食店の業態や客層に関わらず、料理を引き立ててくれるのです。
『うちの飲食店の接客はそんなかしこまってないし…』と思われるかもしれませんが、こだわりを持って提供されている商品があれば、それを言語化し、サービス時に一言添えるだけで良いのです。
そのため、飲食店側では、お店のウリや食材の特徴や製法、産地や歴史などを、接客用の教育ツールとして用意しておくべきだと考えます。
飲食店の接客サービス時に心掛けるべき声のトーンと抑揚
飲食店の接客サービスに役立つ考え方がメラビアンの法則です。
米国の心理学者アルバート・メラビアンが提唱しているもので、7-38-55のルールが存在します。
- 言語情報 7%
- 聴覚情報 38%
- 視覚情報 55%
この考え方の本質は、メッセージの内容は同じでも、メッセージの受け手が声のトーンや抑揚などを重視し判断しているというものです。
つまり、人に与える印象の約4割は、この声による印象で決まるというのです。接客時の発声が非常に大切だと分かりますね。
そして接客サービス時に好印象を与える声とは、発話速度、声の高低(トーン)、そして抑揚に依存していると言えます。
そのためトレーニングにて接客の効果を何倍にも高めることが出来るのです。
まず、ゆっくりと相手に伝わるペースで話すこと、そして声をトーンを上げて明るい印象を与え、さらに強調したい箇所は少しだけ語気を強めながら、接客時にトレーニングを重ねると徐々に理想の会話の仕方が身についてきます。
ぜひ接客に活かして頂きたい考えたです。
メラビアンの法則
・出会いの第一印象は数秒で決まる
・言語は7%、聴覚は38%、視覚は55%が判断のため要素を構成している
の割合から7-38-55のルールとも言われ、言語情報=Verbal、聴覚情報=Vocal、視覚情報=Visualの頭文字から「3Vの法則」とも言われる。
参照:1971年の著書『Silent messages(邦題:非言語コミュニケーション)』における調査より
飲食店の接客でおすすめメニューや季節メニューを押す理由
以前、飲食店のおすすめメニューには既存客の固定客化の役割を担っていますとお伝えしたことがあります。
実は、飲食店のおすすめメニューにはそれとは別に接客に活かすという役割もあるのです。
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まずあなたの飲食店におすすめメニューは何品用意されていますか。それらを意図的に差し込むことにより、ターゲットを固定客化していくことを目的として…
接客サービスにおける飲食店のコミュニケーションツールとして使うのです。
既存のグランドメニューの場合、常連さんへ、商品の細かな説明はしませんね。そのため、飲食店の接客時に美味しさを引き出すための会話は少ないはずです。
しかしながら、飲食店でおすすめメニューや季節メニューを提供している場合、接客サービス時にこの会話が生まれます。
今日はねぇ、入ったばっかの秋刀魚があるけど、どうですかぁ?脂ものってるし刺し身がうまいと思いますよぉ~
飲食店の接客を通じてこんな会話が生まれます。
コミュニケーションの頻度が記憶に作用しますので、大将との会話と秋刀魚が記憶を結び付け、『あっ、秋刀魚食べたいから今日はあの飲食店に寄ろうかなぁ』となります。これが接客の効果なのです。
これを飲食店の接客テクニックとして理解しておけば、戦略的におすすめメニューや季節メニューを用意し、従業員と共有していくことで非常に強い武器になることが分かります。
まとめ
~飲食店の良い接客は適度な会話とその頻度から生まれる~
飲食店において、接客マニュアルの用意は大切です。
しかしながら、基本的な飲食店の接客マニュアル以外は、従業員の商品知識を高め、お客さまとの会話を増やすものにした方が良いと考えます。
もちろん、全ての飲食店にこの接客の考え方が当てはまることは無いです。
例えば、立ち食いそばなどの飲食店の場合、ピークタイム時に回転率を高めることが重要です。いちいち接客をしている暇など無いですね。無駄な作業になります。
そこで会話の代わりに飲食店の店頭や店内のPOPが、この接客サービスの代役を努めてくれます。
まずはこの接客の考え方がご自身の飲食店に当てはまるかどうかを検証してみてください。
恐らく多くの飲食店の接客に当てはまる考え方だと思います。
今回は以上となります。こちらの考え方が皆さんの飲食店経営のお役に立てば幸いです。
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