飲食店におけるターゲットとは何を指すのでしょうか。
ターゲット 飲食店を支持してくれるお客様
しかしながら、飲食店の開業を目指すときに一番こだわりたくなるのがターゲットよりもコンセプト立案だと思います。
やきとり屋をやったら儲かるな!
海鮮系の居酒屋を開業しよう
カレー屋さんを出店してみたいわ
飲食店開業の場合、ターゲットであるお客さんのイメージよりもコンセプトや開業を目指す飲食店のイメージが先に立つはずです。
『誰に売りたい』(ターゲット)ではなく、『これをやってみたい!!』(コンセプト)というモチベーションですね。
飲食店経営に精通し、ある程度のノウハウを学ばれてきた方であれば、ターゲットは後回しでコンセプト立案から入って良いかもしれません。
しかしながら、飲食業に携わらずに来られた方の場合、コンセプト立案と同時進行でターゲットの選定を進めていくべきです。
理由は、誰(ターゲット)に向けた商売か分からない状態で新規開業しても十分な集客力を得られないからです。
『そんなはずはないだろう』や『良い店を作ればお客様は自然と来店してくれる』と感じたあなた、ぜひこちらの記事をお読み頂き、ターゲットの重要性に気づいて頂ければ幸いです。
来店動機とターゲット選定の関係性
あなたが外食したいと感じた時に、まず何を思い浮かべますか?
- 何を食べようか?
- 誰と食べようか?
- どこで食べようか?
- 何時頃に食べようか?
その状況に合わせて飲食店を決めるのではないでしょうか。
例えば、男性のサラリーマンが外食をしようと飲食店を探していたとします。
夕飯をサクッと済ませて帰りたいと考えていれば、近隣の定食屋、ラーメン屋、牛丼屋などを探すはずです。
徒歩であれば、800m圏内、しかも自宅への帰り道にある飲食店に限定されるかもしれません。
仮に10件が軒を連ねるエリアであれば、この時に選ばれる飲食店になるべきです。
このサラリーマンは、ある程度食べたいと思うものを頭に思い描いています。
その時のピントに合う料理を提供している飲食店を訪れます。
これが来店動機です。
飲食店側からすれば、この場面でこのサラリーマンに来店してもらいたいはずです。
しかしながら、彼が求めるものを提供できない場合、選択肢の一つに加えてもらえません。
仮に多くのサラリーマンがいるエリアに開業した場合、競合店へ人が流れ十分な客数を確保できない可能性があります。
『どこも満席だからここでいいや』と最後に選ばれる店になり、将来的には撤退をせざるを得ない状況になるでしょう。
ここで一つ考えてみてください。
仮に、商品開発、内装企画、接客サービスなどをサラリーマンに向けて作り込んでいたら飲食店はどうなっていたでしょうか。
もちろん年齢層によっては脂っこいものは食べられないなど求めるものに違いがありますので、それらを踏まえてコンセプトの作り込みが出来ていたら、恐らくサラリーマンで溢れかえる繁盛店になっていたはずです。
つまり来てほしい客層が明確であれば飲食店からのメッセージも明確になるので必然的にほしい客層が集まる店舗になるのです。
これがターゲットの選定です。
この来店動機とターゲットの関係性をより深く理解できればコンセプト作りがし易くなり繁盛店への近道となるのです。
ターゲットの選定を誤った
【ハワイアンカフェの開業事例】
ターゲット選定を誤ったあるカフェの事例です。
不動産業者の方から通行量の多い商店街に7坪ほどの優良物件が出たと聞き内見に伺う機会がありました。
結局は別の方が契約をされることになり、手を引くことにしました。
リサーチも兼ね、定期的に物件の経過観測をしてみました。
約2か月後に訪問すると、おしゃれなカフェを開業されていました。
恐らくハワイが好きだからという理由だと思いますが、ハワイアンカフェのような飲食店を開業されていました。
飲食店の特徴
壁面はガラス張りで非常に解放感のあるファサード
店内が外から見えるオープンカフェのようなイメージ
店頭には看板は設置されず外から雰囲気でイメージするのみ
女性の従業員の方が一人で切り盛りしている
恐らく20から30代の女性をターゲットにされたカフェでした。
数か月後にいくと、店頭のガラスには擦りガラス風のシートが張られ、店内は見えなくなりました。店頭には文字のみのA看板が置かれていました。
さらに数週間後に行くと、A看板にカレーメニューの画像が大きく張られ、金額も大きく掲載されたものに変更されていました。
集客にかなり苦労されていることが理解できました。
原因は、コンセプト、ターゲット、そして立地のミスマッチによるものなのは明らかでした。
その物件は、駅から数百メートルと比較的通行量の多い立地にありました。
一見人通りが多く、良い立地に見えましたが、駐輪スペースがないため商圏は半径500mから1kmが限度でした。
さらに、その商圏の昼間人口と夜間人口は、年齢層が高く男性比率の高いエリアのため、この方々をターゲットにすべきでした。
つまり出店業態でいえば、焼き鳥、串焼き、そば、うどん、ラーメン屋などの業態が合う立地だったのです。
実際に並びにある豚骨ラーメン屋は常にお客様で溢れていたのです。
併せて、業態の特性としてハワイアンがどのような商品を提供するカフェなのかをイメージできる一般消費者は少ないため、通行人に分り易く伝わる圧倒的なウリ商品の開発と入り口でのPRは不可欠でした。
だからこそ開業を成功させるためには、正しくターゲットを選定することが必要なのです。
ターゲットを細分化し集客力をアップ
ターゲットの細分化の方法を難しく考える必要はありません。
そして、ターゲットを細分化していけばいくほど、店舗のコンセプトが明確になりコアなターゲットの求める飲食店に近づいていきます。
例えば、ターゲットを【30代男性】とした場合、競合他社も30代男性を目指し店づくりをしていれば競争にさらされ飲食店は疲弊していきます。
そこで、さらにターゲットを絞るために、『炭火で焼き上げたスパイスの効いたラム串とこだわりレモンサワーが圧倒的に美味しい店』とすれば、ラムとレモンサワー好きの30代男性を集客出来るようになります。
実はこのターゲットの動機付けが集客力を上げる秘訣です。
コアなターゲットで混雑しはじめると、別の客層が来店しはじめます。
これはバンドワゴン効果と言われるもので、行列が出来ている飲食店に並びたくなる心理です。
メインのターゲットの集客力が上がると、自分も食べてみたいという心理が働いたり、あの人が紹介している飲食店だから行ってみたいという流れが生まれるのです。
ターゲット分類のポイント
最低でも以下のポイントはターゲットの細分化で抑えておきましょう。
性別
年齢
家族構成
収入
好むファッション
普段行く飲食店
趣味
好きなもの
まとめ
~ターゲットを決めてから商売を始めること【失敗しない飲食店開業】
飲食店の開業を検討されている方は、ぜひターゲットを選定した上で、コンセプト立案や物件の選定をしてくださればと思います。
この順番を守るだけでも、成功の確率は確実に上がります。
『誰に向けて飲食店を作るのか』、『どんなお客様に来てほしいのか』、『50代の男性なのか』、『ファミリーなのか』、などをより深く考え、その情報を入り口や店内のデザインで表現し、メニューにしっかりと反映させることが出来れば自然とお客様が集まる店舗を作ることが出来ます。
つまりターゲットに合わせた飲食店づくりです。
『ファミリーに来てもらいたい飲食店です!』という雰囲気の店頭でも、喫煙可能でブース席がなくファミリーにとって居心地の悪い店であれば、再来店には繋がりません。
だからこそ、コンセプト立案とターゲット選定を同時進行で進めることが重要なのです。
今回のターゲット選定についての解説はこの辺にしておきたいと思います。
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