店舗の売上アップを図るためにやるべきことは多々あります。但し闇雲に行動しても結果に結びつかなければ上司から叱られることもありますよね。
そんな時は、ポイントを9項目に絞り、重点的に改善していくことをお勧めします。
Twitterでもお伝えしていますが、まずは店舗をあるべき姿に戻すところからスタートしてみましょう。
ネガティブなオーラは人に起因する、但し人のみに起因する訳ではない
原因の大半は売上の減少
お店の照度、清掃、商品、挨拶、BGM、接客、客層、看板、広告、顧客化の有無を見直し、少しの改善でも『ありがとう』と従業員へ感謝を示そう
店は次第に輝き出し、お店がポジティブなオーラに包まれ出す— 宮城 崇@飲食店専門サポート (@InshokukenZen) August 26, 2021
感じの良いあいさつ(コミュニケーション)を徹底する
このあいさつにはもちろんお客様に対する【接客8大用語】なども含まれますが、特に従業員同士のあいさつについて言及しています。
店舗内でのあいさつと言うと、『おはようございます』や『お疲れさまでした』を思い浮かべると思いますが、それ以外に大切なあいさつがあります。
それが『ありがとうございます』、『ごめんなさい』です。
何かをしてもらえば感謝の気持ちを言葉で伝え、『ありがとうございます!』、何か間違えがあれば、『ごめんなさい!』と素直に伝える文化の醸成です。
さらに重要なことは、謝罪に対する返答時は、怒らないように対応することです。
例えば、ピーク時に、料理を落としてしまい再度作り直しが必要な場面で、料理長やキッチンスタッフが怒りたくなる気持ちもよーく分かります。
しかしながら、ここで『コラー!!』と怒鳴れば、落としてしまった本人は萎縮するか、問題の隠蔽に努めるかもしれません。
いずれは料理が来ていないとお客様からクレームが入り、店長はその対応に追われることになります。ピークタイムのタイムロスは致命的です。
この場合の最善は、『申し訳ありません!●●卓様の料理を落としたので作り直しをお願いします!』の後、『了解、すぐ作り直すね!』です。
タイミングによってはお客様へ謝罪をし、少しだけ時間が掛かる旨をお伝えすれば事なきを得られるはずです。
もちろん時間の掛かる料理の場合は、相当お待たせしてしまうのでキャンセルを伺う必要があるかもしれません。
ただネガティブな流れが一気にポジティブな流れになることは言うまでもなく、チームの強い絆を築くためにミスも利用すべきなのです。
チームワーク構築の第一歩は、このあいさつ(コミュニケーション)から始まるのです。
接客頻度と何気ない気遣いでお客様の心掴む
接客サービスで重要なポイントは2つ。
一つ目が、ザイアンス戦略を活用した接客です。
ザイアンス戦略とは
アメリカの心理学者ロバート・ボレスワフ・ザイアンスが提唱した心理学法則で「単純接触効果」とも呼ばれる。英語読みの発音が「ザイオン」に近いことから「ザイオンの法則」と呼ばれることもある。当初苦手意識のあった物や人も接触機会を増やすことで好意的になっていくという心理法則のこと。
つまり、お客様との接触機会を増やし、何気ない会話の頻度を高めることです。
ここで重要なことは、一回の会話に30分を掛けるよりも、1分の会話を10回した方が効果が高まるということです。
『こんにちは』、『今日のオススメは●●ですよ』、『お仕事の帰りですかぁ?』、『お皿お下げしますね』、『お替りお持ちしましょうか』など、会話に掛ける時間よりも接触機会を積極的に高める工夫が大切です。
2つ目が目配り、気配り、心配りでお客様の行動を先読みすることです。
具体的には、お客様の動作確認とアイコンタクトを接客サービスに用います。そして、『すみませーん』と呼ばれる前に気づく接客サービスを目指すことです。
常に目配り、気配り、心配りで、テーブルを意識し、お客様が求めているものに気づけるように準備します。
箸を落とした瞬間に、スタッフが駆け寄り、『こちらどうぞ』と言われて箸を手渡された瞬間にお客様の好感度は一気に上昇します。
通路でうろうろしているお客様を見かけたら、『お手洗いをお探しですか?』と聞かれる前に問いかけることです。
その行動の先読みがファンを増やすことに繋がるのです。
店内の照度は店舗イメージに合わせる
店舗の照度と記載していますが、ただ明るくしたり、暗くするのではなく、業態コンセプトに合った照度に戻します。併せて、電球の切れた箇所が無いかもチェックしましょう。またネズミにかじられて断線している可能性もありますので、その場合は修繕を依頼しなければなりません。
清掃の徹底で居心地の良さを高める
飲食店の場合、厨房内のグリストラップ、レンジフード、フィルター、床、棚板、プリンター、吊り戸、スイングドアなど、油と埃がこびりつきベタついていることが多々あります。
またダイニングについては、入り口、オープンキッチンのカウンター、導線部分の床、厨房との境界、壁面、天井、ライトの傘部分、テーブルや椅子の裏・表・側面、トイレなども同様に汚れが蓄積していきます。
これを日々のルーティンの中で清掃していないとドンドン汚れてきて清掃する気が失せてしまいます。
清掃業務を安定させるポイントは、日々の作業、週間の作業、月間の作業と分類し、当日のワークスケジュールへしっかりと落とし込んでおくことです。
さらに作業後はフィードバックを受ける、もしくは作業項目リストを作成しチェックできる仕組みを構築してしまえば常にピカピカな店内を保てますので顧客の満足度も向上します。
商品の質と量を安定させる工夫を
まずはレシピ通りの商品が提供出来ているのかを確認しましょう。
例えば
原価率が合わないからとスモールポーションで提供されている
目分量でオーバーポーションになっている
いつも量が安定していない
商品の量が多い時は、『ラッキー!』となりますが、次回の来店時にスモールポーションになっていれば、『えっ!?』となり不満に繋がります。
そのためレシピ通りのポーションにて提供されているかを確認しましょう。レシピの無い店舗もあるかもしれませんのでこちらを参照してみてください。
レシピ作成に関する考え方はこちらからどうぞ
飲食店のレシピを作成する目的や考え方、そして作成の手順を図解にて詳しく解説します。コンサルティングのご依頼を受ける際に、約5割のクライアント先でレシピを…
BGMは業態コンセプトに合うものを選曲しよう
お店の雰囲気やイメージに合うBGMにしましょう。
分からなければ、業態コンセプトの似ている近隣の繁盛店へ行き、どんな音楽を流しているのかを確認しましょう。
もしかすると、BGMは流していないかもしれません。
業態によってはお客様の会話や従業員同士のあいさつ、また厨房の作業音のみがBGMになっている店舗もあります。
明確に客層を選定した店づくり
客層を選ぶというのは、決して店頭でお客様を選別するという意味ではありません。
店内の雰囲気、商品構成や接客サービスなどをターゲットに合わせて構築していくことであり、求めているお客様が来店してくれる業態コンセプトを作り上げることを意味しています。
たまに『誰でもウェルカムです』というお店がありますが、残念ながらこういったお店には誰も集まらなくなります。
例えば、おしゃれなコーヒーショップを開業したが集客出来ないからと、ハイボールを190円で提供してみたとします。
60代の男性客が集まり一時的に売上は上がるかもしれません。但し、既存のお客様は離れていき、求めている客層が次第に離れていきます。
これは極端な例ですが、これに近いことを実施し、集客力の低下を招いている不振店をたまに見かけます。
カフェであれば、魅力的なフードメニューの拡充を図り、客単価を上げながら、さらに入店率を高める施策を検討した方が良いのです。
看板でウリ商品をしっかりと訴求する
看板の見せ方は非常に重要です。効果的な看板の活用で翌日から売上前年比120%も可能です。
ポイントはウリ商品の開発と訴求方法にあります。詳しくこちらの記事にて解説しておりますが、『これを食べてみたい!』と思わせる商品を開発し、入店に繋げる看板デザインを制作していくことです。
看板にの見せ方に関する記事はこちら
飲食店の看板一つで売上を飛躍的に伸ばす方法【成果を保証します】
こちらでは看板の効果を最大化し、売上を飛躍的に伸ばすための考え方や手法を詳しく解説していきます。今あなたがお店の集客力を高め売上アップをしたいと…
SNSマーケティングを活用した顧客の囲い込みと広告宣伝
なぜSNSマーケティングの活用が良いのかと言えば、広告宣伝費が不要だからです。さらに、エビングハウスの忘却曲線とザイアンスの法則を用いた広告宣伝を効果的に打つことが出来るからです。
エビングハウスの忘却曲線とは
© UNIVERSITY OF WATERLOO
記憶に関する実験的研究の先駆者である心理学者のヘルマン・
エビングハウスが発見した忘却曲線のことを指す。また、初めて学習曲線に言及した人物で、反復学習の分散効果について説いている。
つまり、人が学んだことを忘れる経時とその割合をグラフにしたものです。基本概念は以下の通りです。
20分後: 42%忘却
1時間後: 56%忘却
9時間後: 64%忘却
1日後: 67%忘却
2日後: 72%忘却
6日後: 75%忘却
31日後: 79%忘却
そして、カナダのウォータールー大学の研究結果から導き出された記憶維持に必要な復習時間とタイミングを示したものが黄色の曲線です。
前提条件:実験1日目の講義は1時間
翌日に10分間の短い復習を行うと、記憶は1日目の講義直後の状態まで記憶が復元します。
その後、記憶は下降曲線に入りますが幾分緩やかになります。
さらに、一週間後には2日目よりも短い、5分間だけの復習を実施します。これにより記憶は100%に近くまで上昇します。
今回も記憶の下降曲線は緩やかな状態を保ちます。
約一か月後に再度2~4分の短い復習を実施します。
ご覧頂いた通り、何もしなければ79%失われていた記憶を短時間の復習にて維持出来るようになります。
この考え方をSNSマーケティングに役立てます。
ポイントは直接売上に繋がることを期待せず継続して投稿することです。
広告と勘違いし直接的で即効性のある効果を期待しがちですが、エビングハウスの忘却曲線でも解説した通り、来店者の記憶を呼び戻すことを最大の目的としています。さらにザイアンスの法則を活用し、時間よりも頻度に重点を置きます。
つまり『あれが美味しかったなぁ』、『おっ、イケメンの彼だ!』という感じで、来店時の記憶を呼び戻し、『店長に会いに行くかなぁ』、『たまには行こうかなぁ』という自然な流れを作り出すことを目的としています。
もちろんフォロワー(潜在顧客)数の増加と共に店内イベントの告知、新商品や季節商品の告知などを計画的に打ち出せるようになるため将来的には強力な販促ツールとなるのです。
まとめ
~店舗の売上アップで押えておくべき9つの改善ポイント~
店舗の売上アップに関していえば、上記9つのポイントを押さえて改善活動を継続できれば売上は次第に回復してくるはずです。
もちろん緊急事態宣言などで集客力の大幅な低下を余儀なくされている店舗が多いと思いますが、移転せずに事業継続を目指すのであれば地域一番になることは必須だと考えます。
また、競合他社の開業などで周辺環境が急激に変化することもあるかと思います。その際にファンをしっかりと囲い込める準備さえ整えておければ、一時的な客数の減少で済みます。
まずは上記9つの改善ポイントを中心に、店舗のブラッシュアップに努めて頂ければ幸いです。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
今回は以上となります。
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