赤字飲食店の組織再建の初めの一歩とは | 飲食健全化経営コンサル

一言でいえば、それは本気で飲食店を再建すると決断をすることです。その覚悟と決心で、組織の再建に臨むことを決意することです。当時の私はそんなことすら気づかずにいました。

目が覚めたある上司からの一言

当時、飲食店組織の経営者というものがどういうものなのかも分からずに組織のトップになり、飲食店の数値改善のためにとにかく自分なりに考え、行動をしていたある時、上司から引き留められ、打ち合わせをすることに。

上司

最近、飲食店の調子はどうだ?

色々と手を打っていますが飲食店の組織全体の数値が思うように上がらないです。
上司

その原因はどこにあると思う?

組織の現状分析についての話しを延々としていたところで、

上司

で、その飲食店の組織をどうしていきたいんだ?

・・・・・??

数分の沈黙後に

組織の意識改革をして再建したいです
上司

組織の意識を変えるにはどこを変えればいいと思う?

このままでは組織が解散の危機にあることを知ってもらうことだと思います
上司

組織解散の危機を理解してもらうためには、どうすれば良いと思う?

正直、すでに伝えていて、それでも組織内の意識の改善がみられずに悩んでいます
上司

何故、その組織解散の危機感が伝わらないと思う?

※数分間の沈黙…
上司

君自身は本気の本気で組織の再建をするという決断をしているのか?
本当に部下のことを考え、その裏側にいる家族や子供の人生も背負うつもりで、本気の行動をしているのか?
組織を引き継いだタイミングでの大きな赤字は前任者の責任、そこに自責の念が今あると胸を張って言えるのか?

必死に行動しながらも心のどこかで、「これは自分が招いたことではない。この組織の現状は過去からの負の遺産だ。」という考えを少なからず自分が持っていたことに気づかされた瞬間でした。

しかしながら、それでもその時点では、まだモヤモヤした感情が心のどこかにあり、その会話が頭から離れることが無い状況が、約一週間過ぎたころ、以前その上司から頂いた上杉鷹山の経営学という本のことを思い出し、再度読み返しました。

そこで出会ったのがある二つの文章

常に他人の責任にしていたと思います。売上が上がらないのも、FLがコントロール出来ないのも誰かのせいだと心の中で考えていたのだと。そんなある時、出会えた言葉が2つありました。

自身が変わらねば、組織は変わらない

自分自身を変えることほど難しいことは無いはずです。
なぜなら、自己を否定する作業だからです。

今まで組織でしてきた行動や言動、そして考え方を一旦ゼロに戻し、改めることは非常に大変な作業です。そして、自分自身が変わらなければ、組織改革の火だねを灯すことなどできませんし、「やっているつもり」、「考えているつもり」、「働いているつもり」、そして「変わっているつもり」を続けていれば組織の解散を招いたはずです。

では、どのようにして組織の中の自身の考えを改めたのか?

本当に部下のことを考え、その裏側にいる家族や子供の人生も背負うつもりで、本気の行動をしているのか

その上司からの言葉が頭に浮かびました。そして、彼らのためにまずは自分自身が変わろうと決意が出来たのです。

そこには、「僕が」や「私が」という利己的な感情ではなく、誰かのためにという利他的な強い想いがありました。もちろん、今までの間違いに気づき、変わらなければならないという強い意志を持つことができたのです。

改革の火だねを灯し、
それを絶やさぬよう身近な職場でその火だねを他に移せ

それからというもの毎日店舗へ足を運び、仲間との対話に多くの時間を費やすようになりました。彼らの家族や子供についてのことをもっと知りたいという気持ちになりました。ときには店舗の閉店後に食事に誘い、仕事以外のところで彼らのことを深く知ろうとも努力をしました。もしかしたら迷惑だったかもしれませんが、それでもそれを継続していきました。

また、飲食店のことをもっと知りたい、時にはともに店舗で汗を流し、会話をして実際に飲食店で起きていることを体感しながら、改善改革の火だねを灯していこうと必死に行動していきました。

そうすると、朝から晩まで必死に働いてくれている飲食店の仲間への感謝の気持ちが自然と言葉に出てくるようになり、それが建て前ではないことが伝われば、彼らからも色々と会話をしてくれるようになったのです。

現状の飲食店で起きている問題、課題、販売促進のアイデア、設備の不備、人間関係の悩みなど、多くのことを非常に自然に相談してくれるようになりました。

そこで出てきた問題を即改善し、アイデアを即具現化できるようサポートしながら、自分のことは二の次に、飲食店のことや彼らの想いを最優先に行動していく日々を続けていくことで、改善改革の火だねが店舗へと移り、またその他の店舗へと移り、組織全体へと伝わる感覚を肌で感じることが出来たのです。

すると、飲食店を営業している合間にお店で独自に出来ることはドンドン率先してくれるようになり、改革の推進力がさらに勢いを増していったのです。

そして、店舗のチームを構成する【ヒト】がさらに強くなり、その組織全体がさらに強くなっていくのを肌で感じることが出来た瞬間でした。鳥肌が立つのが分かりました。

最終的には緩やかな曲線ながらも堅実に業績は回復していき、組織解散の危機を免れたのです。

組織を再建すると決断し、自分自身を変え、改善改革の火だねを仲間一人ひとりに灯していく

結局のところ、企業や事業の再建でトップとして必要なことは、【やると決断する】覚悟であり、全てはそこからが始まると感じています。

つまり、そこに存在する環境は誰かに与えられたものでもなければ、空から降ってきたものでもありません。結局、自分自身が全て決断した結果なのです。

今、廃業に追い込まれそうな飲食店や企業のリーダーの方々は、今一度自分自身の行動や言動を省みてほしいと思います。組織が無くなり一番困るのは、共に働く仲間とお付き合いくださりサポートしてくれたお客さまや取引先の方々です。

環境の変化などもあろうかと思いますが、時代環境の変化に対応する柔軟性こそ、自分自身を変えることだと強く信じています。

ぜひ日々の三省の中からの振り返りをしてみてください。

追伸 こちらの記事は、私が勤めていた企業にて大変お世話になった五十嵐茂樹氏(2021年6月1日逝去)から実務を通じて学んだ原理原則の一部です。

当時、大変生意気だった私を辛抱強く教育してくださり、厳しくも優しく成長を促して下さいました。彼との出会いのおかげで、今の自分あるといっても過言ではありません。感謝の意を込めて記事にさせて頂きました。

在りし日の元気なお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします。大変お世話になり、本当にありがとうございました。合掌

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