結論から申し上げてウェブの口コミ評価だけを鵜呑みにされて飲食店専門のコンサルタントを選定されるのは危険だと考えます。
今回はその理由や選定される上でのポイントなどについて詳しく解説していきたいと思います。
飲食店コンサルタントの口コミ検索のきっかけは
飲食店コンサルタントを探すきっかけは経営者の悩みに応じて様々かと思いますが大まかには以下の通りかと思います。
数か月後に脱サラしてお店を開業したい
店舗のリニューアルをしたい
売上不振に悩み店舗の立て直したい
従業員満足度を高めたい
市場調査をサポートしてほしい
また確証バイアスが強く、改善案が見つからない経営者の方も多くいると思います。
●確証バイアスと共存するために信頼の置ける第三者を傍に置く
飲食店では急激な環境の変化でターゲット変更を余儀なくされた場合、撤退or業態変更となる。但し確証バイアスが『数か月後には正常化するはず』と、ロスの肥大化を招く事がある
それを第三者が悪魔の代弁者となりブレーキ役を担ってくれる— 宮城 崇@飲食店専門サポート (@InshokukenZen) November 28, 2021
上記のように様々な理由でコンサルティング会社を選ぶために口コミを検索されると思います。
新規開業を目指されている経営者の場合、ある程度の自己資金さえあれば金融機関からの融資も受けやすいメリットもあり、ある程度のノウハウを持ち合わせているコンサルタントに業務を依頼をされれば開業までの道のりは比較的スムーズかと思います。
飲食店健全化経営コンサルティングの事例紹介はこちら
弊社の飲食店コンサルティングのノウハウを導入されたクライアントさまの成功事例のほんの一部をこちらにてご紹介しております。..
売上不振に悩む店舗の場合はコンサル選定のハードルは一気に上がる
しかしながら、売上不振に悩まれている経営者の場合、新規開業ほどスムーズにはいかないケースが多いと思います。
理由は、余剰資金が少ない可能性が高いため十分な投資が出来ないからです。
資金が無い = 大きな投資が出来ない = 小さな改善の積み上げで収益向上を図る
大きな投資が出来ない状況下で業績改善を実現できるコンサルティング会社を探すことになるため選定の難易度は一気に高くなります。
例えば、今までがむしゃらにお店を運営しながら独自のノウハウや経験値を培い、なんとか飲食店を存続させて来られた方が、あるとき商売に行き詰ることがあります。
その際に、ネット広告やウェブ検索などでコンサルティング会社の記事を見つけて問合せされるパターンが多くのケースです。
恐らく『飲食店 コンサル 口コミ』、『店舗 コンサルティング 』などで検索されると、3つほどの広告がトップに来ると思います。
その下に、キーワードに関連した内容のリンクがリストアップされますが、大半は比較サイトや大手のコンサルティングファームなどがトップを独占しているはずです。
飲食店コンサルタントの口コミをウェブ検索する際の注意点
もちろんコストを抑えつつ最適なコンサルタントを探すべく検索サイトや比較サイトに頼るのは今の時代当然の手法です。
但し、こと飲食店専門のコンサルタントの選定においては口コミを100%鵜呑みにされない方が良いと考えます。
その理由は以下の2点です。
①飲食店コンサルティング会社の口コミは信憑性が低い
例えば、飲食店コンサルティング会社の口コミ評価については、GoogleやBingなどの検索エンジン、またFacebookなどのSNSにて比較的簡単に検索することは可能です。
その中にはコメントや口コミが掲載されているものもあり、コンサルティング会社のことを知る一つの方法ではあります。
しかしながら、業種の特性上、お付合いしているお客様の数は、飲食店や小売店のそれに比べ圧倒的に少ないのが実情です。
理由は、個人で経営をしているコンサルティング会社であれば、年間5~10店舗程度。また小規模の企業であれば年間20店舗程度のクライアント数のため、コンサルティング会社1社当たりの口コミ数は非常に少なく信憑性が低いと言えます。
②比較サイトのランキングは広告主導型のため注意が必要
まず誤解のないように申し上げますと、比較サイト内において優良企業は存在します。
しかしながら、比較サイトへ出稿するということは相応の売上や利益の回収を見込んでいるということです。
つまりコンサルティング料金が高くなる傾向にあります。
さらに組織が大きくなれば担当レベルで、ノウハウや経験値に大きな差が生じます。
例えば、企業であれば部下の育成は必要不可欠です。
教育期間ということで上司と部下をワンセットで用意してくれるコンサル会社もあれば、人員不足を理由に部下や新人のみで対応させる企業もあります。
その場合、当然ながら前者の方が仕事の質は高いはずですが、コストを省みて後者を選定してくる企業もあります。
そのため、Googleのリスティング広告や比較サイトの広告枠に掲載されている企業を選ぶ場合は、業務の進め方などを慎重に確認された方が良いと思います。
Googleのリスティング広告費用とは
Googleのリスティング広告とは、キーワードや表示箇所を設定し費用を支払いさえすれば設定したリンクがGoogleの画面上の上位へ表示されるシステムのことを言います。
Googleリスティング広告イメージ:赤枠で表示した広告枠のことを指します。
このGoogleのリスティング広告の費用ですが、仮に代理店へ依頼をした場合、月間で20万~50万円ほど掛かります。
代理店へ依頼しない場合でも、キーワード選定や表示箇所に応じて、10万~30万円の費用負担となります。
そのため広告掲載している企業側からすれば、費用を回収するために必死になるのはやむを得ないと考えます。
ウェブコンサルティングで一過性の集客アップは図れる
ウェブコンサルティングは、客観的に判断して誰でも美味しいと感じてくれる商品を提供している店舗には有効なサービスだと言えます。
その場合、GoogleマイビジネスのMEO(Map Engine Optimization)、またインスタグラム、TwitterなどのSNSの最適化で集客力を高めることは可能です。
Googleマイビジネスイメージ:赤枠をクリックしアカウントを作成します。
しかしながら、開業後、客数がゼロということは考え難いため、恐らくウェブコンサルティングへ依頼をされたても一過性の集客アップで終わる可能性が高いです。
つまり、現状の商品の品揃えやウリ商品を見直さない限り、安定客・固定客の増加を見込めないはずです。
そのため、コンセプトや商品の見直しとセットで対応してくださるコンサルティング会社を選定される方が無難です。
オンラインのみのコンサルティングサービスは効果的か
また電話やオンラインのみでコンサルティングサービスを提供している企業や個人が存在します。もちろん、優秀な飲食店経営者の方であれば、彼らのアドバイスでお店の経営改善を図ることは可能です。
しかしながら、下記のようなアドバイスで経営改善を実現できる経営者の方がどれだけいるでしょうか。
原材料費は40%以上でなければランチの集客力を高められない。
今は餃子が旬だから餃子を主体にした業態に変えた方が良い。
看板を変更すれば入店率が高まるはず。
接客力を高めた方が良い。
SNSをはじめて毎日情報をアップしましょう。
恐らくこれまで集客力を上げるために様々ことにチャレンジをし、飲食店専門のセミナーへも多く参加され、それでも現状は一過性の売上アップに留まる程度のはずです。
現状を打破できるだけのアドバイスをオンラインのみで実施出来るとは正直考え難いと言えます。
上記のようなアドバイスであれば、ウェブにて検索すればいくらでも手法を見つけることが出来ますし、店舗経営者が求めているのは、より店舗に寄り添った、より具体的な提案のはずです。
そのため、こちらも立地診断、商品企画やコンセプト立案など、ある程度のノウハウを持ち合わせているコンサルタントへ依頼させることをお勧めします。
口コミで最適なコンサルティング会社を選定する方法
それでは、どのように自店舗に合うコンサルティング会社を選定すべきでしょうか。
飲食店の場合、お客様にご来店いただき、はじめて商売が成立します。コンサルタントの選定もこれと同様でまず一度担当者と面談されることをお勧めします。
大抵の場合、初回無料の経営相談を実施されていますので、とにかく多くの方と会われることがポイントです。名の知れた大手企業であれば担当者次第で良し悪しに大きな差があるため、実際に会われることがとても大切です。
※本当に忙しいコンサルタントの方は、従来の口コミのみで常に多忙を極めているため無料にて対応してくださらない可能性もありますのでご注意ください。
コンサルタントに会う際のポイント
また、なんとなくコンサルタントに会うのではなく、質問のポイントを絞ることで無駄な時間を費やさないようにしましょう。
質問のポイントは大まかに申し上げて7点ありますので、こちらを中心に確認されることをお勧めします。
(1)過去の実績を開示してくれる。
(2)サポートした店舗名を公開してくれる。
(3)具体的な流れを細かく説明してくれる。
(4)一方的に話しを進めず傾聴の姿勢がある。
(5)考え方が合う。
(6)フィーリングが合う。
(7)現状に沿う提案をしてくれる。
例えば、守秘義務があり、過去の実績をウェブで公開出来ない事もあるかと思います。
ですが、少なくとも面談時にその情報は公開頂くことは可能なはずです。
新規開業をサポートさせて頂いたリトルヤミー浅草橋店さんの記事はこちら
先日2018年12月の開業をお手伝いさせて頂いたリトルヤミー浅草橋店さんへお邪魔しました。コロナの影響を受けながらも売上前年比を更新し続けているとのこと…
まとめ
~口コミをもとに最適な飲食店専門のコンサルタントを探す方法~
今回は、口コミをもとにしたコンサルタントの選定方法について解説してみましたが如何でしたでしょうか。
コンサルティングは目に見えないものをサービスとして提供しているため正しい選択をされるのは非常に難しいと思います。
例えば、店舗の現状把握をせずに専門外の業態変更に向けた一方的な提案をされても対応に困るはずです。
そして、考え方やフィーリングが合わない方との仕事も苦痛でしかありません。反りが合わない方との仕事は精神的に辛くなるためお勧め出来ませんのでご注意ください。
但し、それでも一度はコンサルタントへ依頼をされたいということでしたら、より多くの方とお会いされた上で、上記の7点を基本に質問を投げかけてみられては如何でしょうか。
その上でコンサルタントの方の反応を見ながら、真摯に対応してくださる方を選定して頂ければと思います。
今回はこのあたりで終わりにしたいと思います。
こちらの記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
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