この一年間、コロナウイルスの広がりと共に売上が大幅に減少している店舗が多いと思います。
その中で、集客力のある焼肉業態への注目度が上昇し、居酒屋から焼肉業態への転換を図る企業が増加しています。
大手と同じ土俵で戦わないこと
生産者の在庫過多で仕入れ価格が低下し、焼肉ブームが到来してるけど、結局はターゲットに価値あるものを提供出来ている業態しか残れない
商品の価値を理解してもらい適正価格で売ることに専念することが大切しかしここは凄いなぁ(笑)https://t.co/tjLZpr10bE
— 宮城 崇@飲食店専門サポート (@InshokukenZen) April 28, 2021
今回は、焼肉店への業態転換を検討されている方へ、開業に最低限押さえておくべき3つのポイントについて簡単に解説していきたいと思います。
まずは目指す焼肉業態のターゲットを決めること
焼肉業態だからといってただ闇雲に美味しい肉を適正価格で提供すれば売れるだというと思わないでください。
焼肉業態のコンセプトを考える前に、確実に実施してほしいこと、それは、
来店してほしいお客さま(ターゲット)を明確にしていくこと
です。
こんなコンセプトの店で、あんなメニューやサービスを提供したいなぁ!!
まず初めにターゲットを選定しましょう。
えっ、なんで先にターゲットを決めるの??美味しい料理や感じの良いサービスを提供できれば集客力は上がるはずでは??
もちろん美味しい料理と感じの良いサービスを提供できれば時機に集客力は高まるかもしれませんが、高まらない可能性もあります。
その理由は以下の通りです。
コンセプト = 商品・サービス
例えば、
①商品・サービスを作り、欲しいと感じてくれる人を探す
②最初に欲しいと思っている人を見つけ、商品・サービスを作る
①と②を比較した場合、どちらの方が成功する確率は上がるでしょうか?
答えは②の『最初にほしいと思っている人を見つけ、商品サービスを作る』ですね。
こんなお店を探してたのよ!!
つまり『こんなお店を探していたのよ!!』と感じてもらえる客層(ターゲット)の多い立地に、必要とされるコンセプトの焼肉店を出す方が成功の確率がグッと高まるというわけです。
だからこそ、このターゲットの選定が何よりも優先されるのです。
焼肉業態のコンセプトを考える
次に焼肉業態のコンセプトの要となる商品、サービス、内外装を企画していきます。
ターゲットを意識した商品(メニュー)開発
まずターゲットに合わせて商品(メニュー)を開発をします。
その際に必要となる要素に肉質、部位、仕入れ、産地、売価などがあります。
これらを踏まえて商品を企画開発していきます。
肉質
和牛、国産牛、外国産牛など
部位
正肉:ロース、ヒレ、バラ、モモ、ランプ、スネ
内臓:タン、ハラミ、サガリ、ミノ、センマイ、レバー小腸など
仕入れ
肉屋、産地直送など
産地
宮崎、鹿児島、群馬、飛騨、北海道、オーストラリア、アメリカなど
販売価格
上記内容にて決定したメニューに応じた価格をコンセプトに合わせて設定
そして、焼肉業態で一番重要なのが、焼肉だれです。
もちろん肉質は重要ですが、この焼肉だれとの相性もまた焼肉業態には欠かせません。
例えば、和牛のようにサシが多めな肉質の場合は、サッパリとしたタレとの相性が良いですし、外国産などサシが少ない牛肉を売るのであれば、濃い目の味噌ダレやたまり醤油ダレなどで食べさせる方が良いです。
また柑橘系、りんご、またはすりおろした玉ねぎなどを隠し味に加えて、数日間寝かせたものを使うことで味が馴染み酸味などの角が取れてまろやで深みのある仕上がりになります。
ターゲットを意識した接客サービスを考える
ホルモン中心でリーズナブルな焼肉店であれば、アルコールの注文率は高くなるためフレンドリーでカジュアルな接客との相性が良いです。
購買力の強さもよりますが、一般的には原材料費を高めに設定しているためアルコールで原価率を下げていくイメージです。
グラスのアルコールの量が1/4程度に減っていれば、積極的に追加注文を取りにいきます。
(元気な声で)次の飲み物どうされますか!?
逆に、高単価の焼肉店であれば、部位の説明や部位に応じた焼き加減などを説明するなど、細かなケアが必要になります。業態によっては、お客様に代わりお肉を焼くこともパフォーマンスの一部として行うと良いかもしれません。
さらに追加注文のタイミングも、お客様同士の会話の邪魔にならないよう配慮しながらお声がけをすることも大切です。
(会話の途切れたタイミングを見計らい)もしよろしければ追加のお飲み物をお持ちいたしますか?
焼肉店のターゲットに合わせたレイアウトと内外装デザイン
次に焼肉店の内外装のイメージを考えていきます。
平面図と展開図に分けてレイアウトを考える
まず平面と立面に分けて考えることをおすすめします。
平面(平面図)とは、店舗を上から見た場合を言い、立面(展開図)とは店舗を横から見た場合のことを言います。
こちらは平面図のサンプルイメージ画像です。
売上目標に合わせて厨房サイズを確定します。
その際、機器リストを作成しましょう。
メニューに応じて機器を決定していきますが、大まかには以下の設備が必要になります。
- 冷蔵設備
- 冷凍設備
- 冷凍ストッカー
- 製氷機
- ドライストレージ用棚
- 電子レンジ
- フライヤー
- オーブン
- ガス(IH)レンジ
- 炊飯器
- 食器洗浄機
- 各種シンク
- 吊戸棚
- 手洗いL5
- 各種ドリンクディスペンサー
これらをレイアウトに落とし込みます。
次に、計画通りの売上を確保するために必要なテーブル数と席数を考慮しダイニングのレイアウトを組みます。
この際、厨房とダイニングスペースのバランスを考え、スムーズに料理・ドリンクを提供できるようにレイアウトを組んでいきます。
どちらかに不具合があると以下のようなトラブルの原因になります。
テーブルや席が不足し、十分な客数を確保できない
厨房とダイニングの動線が悪く、料理・ドリンクのスピード提供が出来ない
作業動線を意識せずに各機器を配置したため移動距離が長く時間のロスが発生している
提供が出来ず回転率の低下を招き、十分な売上を確保出来ない
平面図が作成できた段階で、立面で物事を考えていきます。
こちらが立面(展開図)のイメージです。
一般的な従業員の平均身長をイメージし、各種機器の高さを設定していきます。
自分の身長を基準にせず、採用を予定している従業員の方をイメージし、寸法を決めていきます。
女性が中心であれば、158㎝くらいを高さの基準にしてください。
基準身長をもとに棚などの寸法を決めれば、効率の良い作業動線の確保が可能となります。
棚の位置が高すぎて手が届かないよ!!
通路幅が狭すぎて行き来ができない!!
このような問題がないよう慎重にレイアウトを組んでいきましょう。
焼肉店のコンセプトに合わせた内外装デザインを考える
レイアウトが確定した段階で、いよいよ内外装のデザインを考えていきます。
シンプルなイメージにしていくのか、全席個室タイプにデザインをしていくのかなど、ターゲットに合わせてデザインを検討していきましょう。
カジュアルでシンプルなものか?
大衆酒場風のデザインにするのか?
天高のある高級レストランのイメージか?
カフェ風のデザインにするのか?
ビストロ風の雰囲気にするのか?
テーブルや椅子の材質は?
ターゲットが求めているものを提供できるよう繁盛店を回りながら、自店舗のイメージに近いデザインを作り上げていきます。
焼肉店のウリ商品(集客商品)を考える
そして、最も大切なポイントはお店独自のウリ商品(集客商品)を考えていくことです。
数多くある競合店から自店舗を選らんでもらうために必要な要素がウリ商品(集客商品)です。
単純に焼肉店を開業しても集客に繋がりません。『あそこへ行きたい!』と思わせるアイテムの開発が繁盛店には不可欠です。
厚切りLボーン熟成肉
鮮度抜群の朝挽きホルモン贅沢盛り
産地指定のA5ランク黒毛和牛盛合せ
彩りロースの焼きしゃぶ
例えば、低温調理器を活用してレバー、ハツの刺身やユッケなどを開発していくのも専門性の高さをアピール出来るため集客に有利に働きます。
まとめ
~焼肉店への業態変更に必要な5つのポイント~
もちろん上記のポイント以外にも、ダクトやロースターの導入など追加で工事が必要になります。
但し、昨今は工事不要の無煙ロースターなどもあるため、以前に比べて格段にリニューアルがし易くなっています。
そして、今回のコロナのような経済全体に大きなダメージを与える環境下においては、一気通貫の組織であるかどうかも組織の存続を可否を大きく左右する要因の一つですので、改めて自社・自店舗の状態を客観視していきたいところです。
まずは上記のポイントが皆さんのリニューアルに少しでもお役に立てれば幸いです。
無料相談0円
まずはあなたの抱えているお悩みやご要望などを詳しくお聞かせください。
もちろんどんなに些細なご質問でも結構ですのでお気軽にご相談ください。
弊社コンサルタントが親身になって対応いたします。
※大変お手数ですが、下記フォームに必要事項を入力後、送信ボタンを押してください。