店舗の開業費用の大部分を占める内装工事ですが、いくら位が相場でしょうか。
例えば、ウェブにて『飲食店 内装工事 費用』と検索をすれば金額の目安となる数字をいくつも把握することが出来るはずです。
そして、『飲食店 内装工事 業者』と検索をすればいくつもの検索サイトや内装工事業者を探すことが可能です。
内装工事は、坪単価30万から50万円が適正費用ですよ
店舗のサイズが大きくなれば内装工事の費用は割安になりますよ
ただこれはあくまでも一般的な内装工事費用のため、皆さんの置かれてる立場、状況や知識に応じて価格に増減があるのが実情です。
開業に関する知識が全く無い状態でしたら、上記の方法で内装工事業者を検索しながら何社かの担当者とお会いし、費用を確認された方が良いでしょう。
ある程度の実績をホームページなどで公開し、人柄が良く信用できそうな内装工事業者を選定されるほうがスムーズな開業が進められるはずです。
この場合の内装工事費用ですが、少なくとも坪単価50万円以上は覚悟された方が良いと思います。
10坪であれば500万円(税抜)が内装工事費用に掛かるイメージですね。
『こんなに内装工事費用は高いのか??』と思われるかもしれません。
ただ内装工事業者の方々も商売ですので利益を確保しなければなりません。
そこには彼らが十数年積み上げてきた人脈、ノウハウや知識を用いますので、それなりの利益を確保されるのは当然のことなので費用は高くなります。
そこを理解せず内装工事の内容などを見ずに費用や価格のみで、高い、安いと判断をされると、誤った選択をし、あとで痛い目を見ることになりますのでご注意ください。
(※残念ながら費用のみで内装を依頼されたクライアントの悪い話しは何度も聞いてきたので間違いありません)
もちろん依頼者サイドの本音を代弁すれば内装工事の費用は極力抑えたいと考えられているはずです。
開業しても数か月分の運転資金が必要だから、少しでも内装工事に掛かる費用を下げたいわ!
そこで今回は内装工事費用を抑えつつ理想のお店をオープンするために必要な考え方とその方法を簡単にご紹介していきたいと思います。
まず飲食店開業時のターゲットを明確にすること
商売にはモノやサービスを購入してくださるお客様の存在が欠かせません。そのため開業を目指す際は、まずはじめにやることは来てもらいたいお客様であるターゲットを明確にされることが何よりも重要です。つまり誰に来てもらいたいお店なのかということですね。
しかしながら、このターゲットを選定せずに内装工事を進めようとされる出店者の方がいます。
開業者側すれば、『お洒落な店さえ作ればお客さんは来店してくれるはずだ』という考えです。
もちろん開業を検討している業態、例えばカフェやレストランといったこだわりの強い業態の場合は、内装のお洒落さの重要度は高いかもしれません。
もちろん、こだわりも必要ですので、見せたいオブジェや額縁などは、店内、店頭の通行量の多い場所に配置したり、ビンテージのブラケット照明をポイントで壁面へ設置したりすれば、そこが際立ち来店されたお客様に好印象を与えることが出来るかもしれません
但し、来店されたお客様にそれが響くかどうかがポイントです。
ターゲットを選定せずに自己満足なこだわりでは対象に伝わらない可能性のほうが高いのです。
重要なことは、ターゲットをを選定した上で、細部にこだわり過ぎず、全体的なバランスを考え、内装工事を検討していくことも費用を抑える大切なポイントです。
全てにこだわらず、力を入れるところと、抜くところのバランスを考えることで適正な費用に抑えることが出来るようになります。
併せて、重要な考え方が3点ありますので下記に掲載しておきます。
1点目:飲食店の開業目的は繁盛させ利益を出すこと
飲食店開業の大きな目的は店舗を繁盛させ利益を出し、継続的に店舗を存続させることです。
しかしながら、開業に費やす時間よりも、オープン後に費やす時間の方が何十倍も重要なはずなのに、そこが欠落している開業者の方が多いのが現状です。
なぜそうなるのでしょうか?
理由は、『独立したい』、『店舗を開業したい』というモチベーションが強すぎるからです。
そのため『お店を開業する』ことが目的の大部分を占めることになり、ご自身のこだわりを優先させてしまうからです。そうなると、物事の決断が遅れ、工事が遅れ、無駄に空家賃を払い続けることになります。そして開業費用も高くなります。
さらに内装工事が遅れれば、採用を予定していたパート・アルバイトも仕事が始められないため、いずれは別の仕事へ流れていく可能性が高くなります。そうなれば再度募集広告に費用を掛け、教育に費やす時間が必要になるため、さらなる2倍の費用を掛けることになります。
まずは適正な期間内にお店を開業させる計画を立て準備を進めていきましょう。開業後に集客力を高め収益性が整った段階で、さらに追加投資をされることも戦略の一つとして持ってきましょう。
2点目:確証バイアスを意識しながら客観的に物事を進めていくこと
確証バイアスを意識しながら客観的に内装工事や費用を検討していきましょう。この確証バイアスに掛かると、自分にとって都合のいい情報ばかりを無意識に集めてしまい、反証する情報を無視したり集めようとしなくなります。
確証バイアスとは
認知バイアスの一種で、自分にとって都合の良い情報や事柄ばかりを無意識的に収集し、自分の考え方にそぐわない情報を無視したり収集しないようになる傾向のことをいいます。多様な情報があるにも関わらず固定観念や思い込みなど、最初の考えを支持する情報ばかりが目に付いてしまう、これが確証バイアスです
開業を目指す際に、陥りがちな心理状態がこれです。
『開業さえすればお客様は来店してくれるはずだ』です。これが一番危険な状態ですので、物事を客観的に進めていくための基準をしっかりと設けていきましょう。
3点目:飲食店の内装デザインのお洒落さを客観的に捉えること
ご自身が開業される『店舗の内装デザインのお洒落さに基準はあるのか』ということです。お洒落を客観的に捉え、視覚化、言語化出来ていることが何よりも重要です。
逆説的に言えば、お洒落な内装デザインを主観的に捉えては駄目だということです。
『私が好きなものは皆が好きになってくれるはずだ』という確証バイアスが掛かると、全ての物事を主観的に判断しはじめます。
そうなるとお客さまを無視した自分本位な店となり、十分な集客力を得られない可能性が高まります。
そのため、内装デザインはご来店されるお客様にアピールするための単なるツールに過ぎないと認識すべきなのです。
つまりターゲットが好む内装デザインを徹底的に研究しなければいけません。
内装デザインを客観視していく方法
内装デザインを客観的に見ることでこの問題を解決できますので、具体的な方法を解説します。
まずご自身の理想とされる繁盛店を回り、各店舗の内装デザインをくまなくチェックしてください。
ポイントは、建具の材質、寸法、色使いなど出来る限りの情報を収集していくことです。
さらにテーブルの大きさや高さ、通路幅など、内装に関わる全ての情報を数値に置き換えてください。
これを出来る限りの繁盛店で実施します。
正直、店側からすれば迷惑なお客さんと映るはずです(笑)。目立たないようにひっそりと、お店のご迷惑にならない程度に実施しましょう。
飲食店の内装工事の費用を細分化し
必要な作業内容を知ること
店舗の開業費を抑え、低投資で高収益な店舗を作りたいと考えている方にお勧めな方法をご紹介します。
まず一括りに内装工事といっても様々な工事の集合体であるということです。
例えば、こちらの画像ですが、昨日クライアント先で依頼した電気屋さんの作業風景です。雨の中お越し頂き対応してくださいました(感謝)
彼らの工事は電気設備に関連している工事のみ対応してくださいます。
子供のころにプラモデルを組み立てた経験があれば、基本的にはそれと同じ考え方です。
例えば、一軒家を建てる際は、設計図が必要になります。それに合わせて大工さんや設備業者さんが工事を進めていきます。
基礎工事の後、その上に木材にて枠組みを組みます。その枠組みに、屋根材、断熱材や外壁などを貼付け、便器やユニットバスなどの什器をその隙間にはめ込んでいくイメージです。
同時に、電気工事や給排水工事を進め、生活に必要な設備が組み込まれ人が住める住宅が完成します。
店舗の場合もこれと同様の考え方です。
以下に必要な業務や工事内容を掲載しますのでご覧ください。
デザイン設計費用
プラモデルの説明書と同じ役割です。費用は30万円~60万円です。
設計施工管理費用
工事が設計図通りに進められているかをチェックしながら工事を管理監督していきます。費用は、20万円~50万円です。
内外装工事費用
内外装に関わる工事費用全般の総称ですが大まかには以下の項目に分類されます。
仮設・撤去工事
ビルインの物件など、養生をし動線上の壁やエレベーターを傷つけないようにする作業です。
軽鉄工事
一般住宅の木材の枠組みにあたる部分で、軽量鉄骨材(軽天)と言われる暑さ0.5㎜のスチールを店内の天井と壁に施工します。これが壁材や天井材として貼り付ける石膏ボードの下地となります。
木・造作工事
カウンター、廻り縁や腰壁など、店舗の意匠性を高める工事を指します。
家具什器工事
扉、ベンチシートや家具など独自のサイズに合わせて制作するため汎用品よりも高くなります。
塗装工事
天井や壁面をペンキ塗装に掛かる工事です。
照明工事
店内、店頭の照明の設置に掛かる工事です。
看板工事費用
看板のデザイン、制作に関連する工事費用です。仕様、材料や材質に応じて価格は大幅に増減します。
設備工事費用
一般的な設備工事に掛かる費用ですが、大まかには以下のように分類されます。
給排水設備工事
換気設備工事
空調設備工事
電気設備工事
飲食店工事を各業者へ
直接依頼し費用の大幅減を図る
先ほど内装工事は、各業者の集合体だとお伝えしました。
仮に内装工事会社へ工事を依頼をした場合、彼らも各工事業者さんへ費用の支払いが発生します。
それには、国へ納める消費税や彼らの利益を費用に上乗せしなければなりません。
つまり消費税相当分の10%、および各項目に対して残工事やトラブル時の追加費用を加味し、少なくとも20%から30%ほどは上乗せしなければなりません。
単純に工事単体で見た場合でも、100万円の商品が130万円~140万円が内装費用になるわけです。それが300万円になれば、開業者への請求する内装費用は、390万円~420万円と膨れ上がります。
さらに彼らの一番の業務は、デザイン設計と施工管理ですので、上記の費用にその分のコストが上乗せされます。
材料手配や施工管理で大幅な費用削減に繋げる
逆に言えば、内装工事会社の業務をご自身が出来れば上記の内装費用を大幅に削減出来ます。
例えば、居抜き物件の場合、デザイン設計を専門家へ依頼しないだけでも30万円~60万円の内装費用を削減出来ます。
仮に、大工さんや設備業者の方と直接打ち合わせをしながら材料手配や施工を進めることができれば施工管理費である20万円~50万円の内装費用の削減に繋げられますし、材料に上乗せされる消費税や手数料を削減できます。
つまり、これらの業務をご自身で管理できれば、300万円規模の工事の場合、最大で140万円~230万円の内装工事費用の削減に繋げることが可能です。
まとめ
~飲食店の内装工事費用を抑える考え方とその方法をご紹介~
今回は飲食店の開業に関わる内装工事の費用について解説をしてきましたが如何でしたでしょうか。
開業を目指すのであれば、開業費用の大半を占める内装・外装工事費を削減していきたいところだと思います。
そのためには、お店の構造やそれに関わる業者や費用を詳しく理解する必要があります。
その上で、ご自身で出来ることと、出来ないことを分類し、直接大工さんや設備業者さんへ依頼出来る業務か、もしくは内装工事会社を採用した方が良い内容なのかを判断された方が良いと思います。
もちろん開業費用は高くなりますが、今回ご紹介してきた通り、内装工事会社の業務は多岐に渡り、人脈や時間を大幅に費やしていることをご理解頂けたと思います。
そして、見積もり費用だけで内装工事会社を決めるのは本当に危険ですのでぜひご注意ください。
残念ながら一定の割合で悪質な内装工事業者もいます。仕事を取るために安い見積もりを見せておいて、工事の途中で多額の追加工事費を請求してくる業者も存在します。
そういったトラブルに巻き込まれないためにも内装工事の費用や仕組みに関わる内容をしっかりと理解しましょう。
そして開業費や投資に係る費用も繁盛店が作れれば、あっという間に回収できてしまうのも事実です。それには開業前の事業計画書の作成と、投資に掛かる費用の上限を踏まえ現実的な回収計画を立てることも重要な作業の一つですのでお忘れなく。
今回は、内装工事費用に関する解説をこの辺りで終わりにしたいと思います。この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。
無料相談0円
まずはあなたの抱えているお悩みやご要望などを詳しくお聞かせください。
もちろんどんなに些細なご質問でも結構ですのでお気軽にご相談ください。
内装費用の疑問など弊社コンサルタントが親身になって対応いたします。
※大変お手数ですが、下記フォームに必要事項を入力後、送信ボタンを押してください。